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祝日のない6月だからこそ考えたい「休める職場の作り方」

こんにちは、マイナビnote編集部です。

3年ぶりに行動制限がなかった今年のGW。みなさんどのように過ごされたでしょうか。
渋滞のニュースもよく見ましたし、note上にも、家でできる楽しみから
お出かけ、イベント、旅行の話題などさまざまな記事があがっていました。

ただ、6月に入ると皆さんもご存じの通り祝日はゼロ……。梅雨の時期も相まって、どことなく憂鬱に過ごされる方も多いと思います。そして、次の祝日は7月18日の海の日だそう。あと1か月以上先です。

「それなら自分で3連休を作る!」と、有給休暇の使いどころを考えている人もいるのではないでしょうか。でも、いざ「休みを取ろう!」と思っても、取りづらかったり調整が難しかったりすることもあると思います。

そこで今回は、雇用や労働に関連する調査データやレポートなどの情報を提供するサイト『マイナビキャリアリサーチLab』にて公開されている、「休みを取りやすい職場の作り方」についてのレポートを紹介したいと思います。

レポート作成のきっかけ――男性育休が取りづらいのは制度の問題?

今回、「休みを取りやすい職場」をテーマにしたきっかけは
今年の4月から段階的に施行されている『改正育児・介護休業法』。

この法律では、男女問わず“育児休業が取りやすいように”さまざまな改善がなされているのですが、今回の法改正では、主に男性育休の促進を目標に掲げています。

「男性の育休取得率の低さの課題は“育休制度の改善”だけで解決できるのだろうか?」
「“育児休業が取りづらい”の前に、”そもそも休みが取りづらい“のが課題では?」

と考えたことがレポート作成のきっかけでした。
実際、男性正社員が「育休を取得できた理由」と「育休を取得できなかった理由」のどちらも、日頃からの休暇の取りやすさ・取りにくさに関する項目が上位にあがっています。

厚生労働省委託調査『平成25年度育児休業制度等に関する実態把握のための調査研究事業報告書』より

そこでマイナビでは、【全国の20~60代の正社員男女】を対象として「① 有給休暇」「②介護休暇」「③生理休暇」「④育児休業」という、4つの休暇制度について休暇取得の実態と環境・働き方に関するアンケート調査を行い、その結果を分析しました。

希望通りに休めている人はどれくらい?――理想と現実のギャップ

まずは、現在の休暇取得の実態から。
各休暇・休業について、昨年1年間(2021年)で「取得したかった日数」と「実際に取得した日数」を聞いてみた結果が以下の通りです。

有給休暇の理想取得日数は年間で12日、実際に取得した日数は平均約8日でした。ペースとしては月に1回の取得が理想のようですが、実際に休んだ日数の平均は、年間で取得が義務づけられている5日間+数日取得、といったところです。

介護休暇・生理休暇に至っては、取得した日数の平均が1日を下回っており、それぞれの休暇を取得したくても、実際には取得しなかった/できなかった人が多いことが分かります。

また、育児休業の理想の取得日数と、実際に取得した日数を比較したグラフは以下の通りです。

育児休業を希望の日数分取得できたという人は、女性で約4割、男性は2割に満たないことが分かります。

どの休暇・休業も「休暇を取得したかった日数」という理想を聞いているので、実際に必要だった日数よりも多めに書いていたり、育児休業では保育園の入園時期の関係などで短く切り上げた場合も考えられますが
やはり、どの休暇も理想日数(取得したかった日数)は取得できていない人が多いことが分かります。

では、なぜこのギャップが生まれるのか、そして休みたいときにきちんと休める職場をつくるにはどうすれば良いのか、その原因とヒントを見ていきましょう。

休める職場をつくるには?――「体制」も「雰囲気」も両方重要

ここではレポートで紹介している先行研究の中から、「有給休暇を取り残す理由」についての調査を紹介します。

JILPT『年次有給休暇の取得に関するアンケート調査(企業調査・労働者調査)』を元に作成

上位2つを占める「残しておきたい」という理由以外に多いのは「他の人に迷惑がかかる」という懸念や「仕事を引き継いでくれる人がいない」「仕事量が多すぎて休んでいる暇がない」という業務上の理由です。

休暇の取りづらさの原因というと、「休みづらい雰囲気」と思いがちですが、休暇取得に関する調査の分析から(レポート内では他の調査結果も紹介しています)、まずは、制度の整備・誰かが休んでも業務が進む体制づくりなど“ハード面”を整え、次に、雰囲気づくりや周囲からの理解などの“ソフト面”で後押しするということが重要であることが分かりました。

詳しく見ると下図のように分類されます。

では、この“ハード面””ソフト面“についてそれぞれ、休暇の取得日数が多い人と少ない人で「働き方」や「職場環境」がどのように違うのか、比較していきます。

ハード面【1】:休暇制度の整備と周知

勤めている企業の休暇制度について聞いてみると、「制度がある」という回答が4~6割ではあるものの、どの休暇・休業についても「制度があるかどうか分からない」人が2~3割いることが分かります。

また、「自分が休暇取得の対象だったとしたら何日休めるか」という問いでは、「分からない」と回答した人が有給休暇で約4割、介護休暇では8割以上でした。

社員自身が制度を正しく把握すること、また、会社がきちんと周知することは、社員が休暇を必要とする場面でスムーズに制度を活用できることはもちろん、社内でお互いに休暇取得を促しあう環境づくりにも繋がる大事なことだと思います。

ハード面【2】:業務体制の整備

次に、制度があっても「休むと業務が回らないから休まない」という状況を打破するために、普段からどのように仕事を進めるべきか見ていきます。

自身の仕事が属人化していると思う人とそうでない人の休暇日数の違いを見てみると、「業務が属人化している」という人は、休暇の取得日数が少ないことが分かります。
自分が休んでしまうと進まない、他の人では対応できない業務がある、という状況が休みを取りづらくしていると考えられます。

ただ、他の人に引き継げる業務体制を構築するには、意識しなければならない点があるようです。

休暇を取得する時に発生する作業として多いのは「自分で業務調整する」で、改善されればより休みやすくなると思う作業としては「業務の引継ぎ」が僅差で1位、「業務の手順書作成」も3位になっています。

つまり、自分が休暇を取得しても他の人が代理で対応できるという状況にするには、業務の引継ぎ内容等をわかりやすく仕組み化したり、普段からの情報共有などが業務体制として求められます。

ソフト面【1】:休みやすい雰囲気づくり

今度は、“なんとなく休みづらい”という意識を生み出す雰囲気について見てみます。

「自身の上司が、部下の休暇取得に対してどのように働きかけているか」を、有給休暇の取得日数別に見たところ、取得日数が多い人の上司は、少ない人の上司に比べて、部下の休暇日数の管理や取得を促す声掛け、雰囲気づくりをしている割合が高いことが分かりました。

また、有給休暇を比較的多く取れている人は上司自身が休暇を積極的に取っている傾向もあります。

元々立場に関係なく全員が休暇を取りやすい職場、という可能性もありますが、部下に休暇を取るように促す働きかけの一つとして、上司自身が積極的に休暇を取得することも有効といえそうです。

ソフト面【2】:周囲の理解

最後に、休暇取得に関する周囲からの理解について見ていきます。特にここでは、男性の育休に関する調査結果から紐解いていきたいと思います。

男性の同僚が育児休業を取ることについてどう思うかを聞いてみると、「積極的に取得すべきだと思う」とする人は57.1%で肯定的な人が過半数でした。
また、同僚の家族や同居人についてよく知っている人ほど、育児休業の取得に対して肯定的な割合が高く、誰の家族・同居人についても知らないという人は「休暇取得せずに対応すべき/休暇を取るほどのことではない」と回答する割合が高い結果となりました。

「休暇取得への寛容さ」は「同僚への理解」と関係があるといえそうです。

プライベートについてお互いに何でも話す、ということは難しいかもしれませんし、本来、同僚への理解に関わらず休暇取得を促進する環境であるべきですが、お互いに快く休暇取得をサポートしあえる職場にするべく、コミュニケーション量を増やすだけでも、自分からできることとして実践してみてもいいのではないでしょうか。

おわりに

休暇取得率の低さは「休みづらい雰囲気」が原因であるように思いがちですが、今回の調査結果から、
・制度を知らない
・誰かが休むことを前提に業務体制をつくっていない
・休暇取得を促進する働きかけが足りていない

などのことが、休暇取得率の低さにつながっていることがわかりました。また、これらが「休みづらい雰囲気」を生み出す根源になっているように感じました。
1つひとつ、ネックとなっている問題を解消していくことで、少しずつ休みやすい職場に近づいていくのではないかと思います。

そして、この「休みやすい職場」をつくるということは、将来子育てしたい人や今現在、介護している人たちだけのためではありません。
コロナ禍で経験した人もいると思いますが、“急に仕事に行けない状況になる”、“仕事より優先すべき事項が発生する”ということは誰にでも起こりえます。

また、そもそも有給休暇は取得が義務づけられているものであり、自分自身や身の回りの人との大切な時間を確保する権利が守られています。

いつか自分や家族に何かがあったときにスムーズに休暇や休業を取って対処できる、何もなくても、日頃から適度にリフレッシュする日を作ることができる、という「休める職場」づくりは、働くすべての人にとって重要なことであり、それは、誰もが働きやすい環境づくりにも繋がると思います。

“誰かが休みやすい職場”は“自分も休みやすい職場”であり、逆もしかりですので、まずは自分が休みやすい環境をつくることから始めてみてはいかがでしょうか。

▼今回紹介したレポートについての記事はこちら
『休暇制度と「休める職場」~育休も取りやすい「休める職場」の作り方~」』
https://career-research.mynavi.jp/report/20220330_25267/

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