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「食事も忘れるほど刺激的」。38歳の営業部長が、インドネシア子会社の社長に就任するまでの挑戦と覚悟とは

「転職以上の変化を感じている。」
そう話すのは、2024年5月に、マイナビのインドネシア現地法人※の代表取締役に就任した中村。

彼は10年以上人材紹介の営業職としてマイナビで勤務していましたが、社内公募制度を利用し、海外勤務が決定。ポジションは本人も驚く“マイナビ子会社の社長”でした。

大きな挑戦をした中村の覚悟と、社長業に奮闘する日々をご紹介します。

※PT Mynavi International Indonesia・・・マイナビの子会社で、インドネシアの現地法人。インドネシア国内のスタートアップ企業を出資・買収することがメインミッションとなる。


プロフィール

中村 康佑(なかむら・こうすけ)
PT Mynavi International Indonesia 代表取締役社長
2013年にマイナビに中途入社し、一般企業領域の人材紹介法人営業に従事。
その後メディカル系企業の担当に異動し保育領域の首都圏管理職、リハビリ領域の東日本責任者の業務を経て2024年5月より現職。


海外勤務に挑戦したきっかけ――“得体の知れないワクワク感”

僕はマイナビに中途入社してから、10年ほど人材紹介の営業をしてきました。部署異動は何度か経験し、様々なジャンルの企業を担当させていただきましたが、最後は理学療法士などセラピストの人材紹介をする部署で、50名ほどの営業メンバーを束ねる部長職に就いていました。

人材紹介の仕事は楽しくて、やりがいを感じていたのですが、当時はちょっと自分に変化が欲しいと感じていた時期でもありました。

そんな時に全国の部長職が集まる会議で、取締役が今後のマイナビの海外事業戦略を話していたのが衝撃的だったんですよね。※
マイナビは創業50年以上の会社ですが、今までの国内での事業経験を生かして、今後は海外にも本格的に事業を広げていくという話でした。

それまではマイナビにどこか堅実な印象があったんですが、マイナビが新しい挑戦に向けてギアを入れているような、そんな印象を持ちました。会社が本気で取り組もうとしている姿勢に得体の知れないワクワク感を覚え、自分も変わるチャンスかも、と思ったんです。

そこから、社内公募制度を利用して、海外事業を担当するグローバル経営戦略室に異動希望を出し、面接を経て異動が決まりました。

※取締役 常務執行役・吉田からのメッセージ

異動希望は海外勤務になる前提で出しました。
海外で働くことへの抵抗はなかったです。英語は学生時代に勉強した以来、何年もブランクがありましたが、話す言葉が日本語から英語になるだけで、会話できる人数が何十億人に増えますよね。それが海外で仕事をする魅力だなと思っていたんです。

38歳で、チャレンジせずに人生終われない。年齢制限もなく挑戦できるのであれば「やってやれ!」と飛び込みました。

僕には4歳と6歳の子どもがいるので、家族と離れることは少し心配ではありました。でも、初めは「え!海外?!」と驚いていた妻も、背中を押してくれて、新しい環境に挑戦させてくれました。
今は寂しさを感じる暇もないほど忙しく仕事をしているのですが、私がいなくても楽しそうにやっている姿を見るとちょっと寂しくなりますね(笑)。

社長業は頭がパンクしそうになりながらも……楽しい!

インドネシアで働くことは、想定内ではあったのですが、でもまさか、自分が社長になるなんて夢にも思っていなかったです。
プレイヤーとして泥臭く働くイメージで応募したので、代表取締役の打診をもらったときは本当に驚きましたね。

ただ、こんなチャンスは本当に貴重ですよね。私は海外経験も企業投資の経験もありませんし、ポテンシャルを信じて機会をもらえたことをありがたく思っています。
この感謝の気持ちが、今の原動力の一つにもなっていますね。

取締役の吉田が来訪した際の記念写真。
インドネシアの正装バティックでお迎えしました。

実際社長業をやってみて、とにかく「楽しい」「面白い」という毎日です。

一番大きく変わったのは“話す相手”です。
主に社長の仕事って、自社の採用や組織の整備、新規の出資先を探してくること、出資先の事業を大きくすること、社外のプロフェッショナルの方々と関係構築することが挙げられます。

マイナビ社内でも話すのは社長や役員、事業責任者が主になりましたし、インドネシア国内でも投資先の経営者や外部パートナーのスペシャリストと話すことがほとんどです。
英語も投資も法律も、毎日わからないことだらけです。でも社長として全体像を把握し意思決定しなければならない。
日中に「わからない」と思ったことをその日の夜や週末に復習する日々です。きちんとキャッチアップしないと対等に話せないですし、頼りないと思われたくないですしね。

なので毎日、常にアドレナリンが出ている状態で、頭の容量がパンクしそうです(笑)。

でも、楽しいんです。この年になって食事を忘れるほど刺激的な仕事ができることが嬉しいです。
自分が知らないことを知るのって、人間の根源的な楽しみだと思いますし、今僕は人生で一番楽しいと思います。

あとはどう成果を出すかですね・・・!

帰宅時、オフィス付近の2-3kmに渡る渋滞。
渋滞に巻き込まれる帰宅時間をその日の業務整理や英語学習に充てています。


 世界のスピードに圧倒されながらも、メンバーに助けられる日々

社長業に奮闘する毎日ですが、社長って一人では仕事を完結させられないんですよね。
今の自分の能力でできることはせいぜい2割くらいで、残りの8割は、周囲のメンバーや、マイナビ社内の方にサポートしてもらってます。
今私の会社は10人ほどの組織ですが、日本人社員もいるし、ローカル社員も知識や強みが全然違いますので、うまく組み合わせて価値を発揮できるように努めています。

今後は、会社としてはインドネシアの雇用や教育を取り巻く課題解決にも影響を与えていける存在を目指しています。
マーケットがめまぐるしく変わる中、素早い判断が求められる危機感を日々感じますし、世界のスピードを目の当たりにすると「僕たちは全然まだまだだな」と思ってしまうこともあります。

僕自身が最も成長しなければと背筋が伸びる思いです。
今回の社内公募を経て社長就任したことを機に、再確認しましたが、自分の人生をハンドリングできるのは自分だけです。自分で描けるものは自ら決断しアクションを起こせば実現できるとも思いました。

僕の挑戦を見て、刺激を感じてくれる人がいればうれしく思います。