“二足のわらじ”を履く会社員にプロゲーマー・ときどさんがエール! 「とても素晴らしい生き方です」と断言する理由は?<木曜日の相談室 vol.7>
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“二足のわらじ”を履く会社員にプロゲーマー・ときどさんがエール! 「とても素晴らしい生き方です」と断言する理由は?<木曜日の相談室 vol.7>

株式会社マイナビ

目まぐるしく変化する毎日、慌ただしく駆け抜けた今週もあと少し。そんな木曜日の1日に、ほんの少しだけ気持ちが軽くなれるお部屋、「木曜日の相談室」

第5回目のゲストは、世界で活躍するトッププロゲーマー、ときどさん。今回は「今、チャレンジしたいこと」をテーマに相談を募集し、ときどさんにお話をお聞きしました。

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ときど(ロートZ!所属プロゲーマー)
1985年沖縄生まれ。東京大学卒業。小学生の頃から格闘ゲームを始め、学生時代から数多くの大会で好成績を収める。2010年にプロゲーマーとしての活動を開始。2017年には世界最大の格闘ゲーム大会「Evo2017」で優勝。第49回ベストドレッサー賞(2020年スポーツ部門)や、世界が尊敬する日本人100人(2021年NewsWeek誌)にも選出された。

ときどさんに聞いてもらいたい、「今、チャレンジしたいこと」

ペンネーム:めぐるさん
私がチャレンジしたいことは、会社員で仕事をしながら小説家になることです。それに際して、2つ葛藤があります。
1.小説を書くより、もっと将来の役に立つことに時間を使った方が良いのではないか
2.会社員を辞めるつもりはなく、1つのことに集中していない罪悪感や後ろめたさ
私が小説を書き始めたのは、コロナ禍でも何か家でできる面白いことはないかと考えたのがきっかけです。今年から小説投稿サイトで自作の小説を公開していて、最初は「お金のかからない良い趣味」程度に思っていました。続けていると、そのサイトやSNSなどで感想や応援をいただけるようになり、今は個人出版に向けて動いています。
しかし、これをお金にするのは厳しい道だというのも実感しており、それより将来の役に立つようなこと(仕事や資格の勉強、読書、料理、新しいスキルの取得など)に時間を使った方が良いのではないかと思う自分もいます。
また、会社員の仕事を辞めるつもりはなく、二足のわらじで取り組もうとしている自分に罪悪感や後ろめたさを感じるときがあります。会社の仕事にはそこまでやり甲斐を感じませんが、毎月安定したお給料をもらえるという安心感は捨てられません。

「仕事は生きるための手段」は当たり前

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僕の場合はちょっと特殊かもしれませんが、世の中には「仕事は生きるための手段」として捉えている人のほうが断然多いですよね。

仕事にやり甲斐を求めるより、仕事は生活するための手段として割り切って、空いた時間で自分の好きなことをする……これは普通のことだと思います。

めぐるさんは空いた時間で小説を書いていて、しかも徐々に評価もされ始めて、今後は個人出版までするんですから、とても素晴らしい生き方をしていると思いますよ。全然、罪悪感や後ろめたさなんて感じる必要なんてありません

すごく迷っていらっしゃる様子が伝わってきますし、もちろん、ご本人にしかわからない悩みもあるのだとは思いますが、僕としてはそのままのスタイルでいいんじゃないかと思います。

ゲームで学んだことは“ゲーム以外”でも役に立った

「小説を書くより、もっと将来の役に立つことに時間を使った方が良いのではないか」と迷っているようですが、小説を書くことは、きっと将来にも役立つと思います

僕だって、もしゲームが好きじゃなかったら、きっと勉強もしなかったはずです。うちの親は「勉強で結果を出さなければ、ゲームもさせない」という方針だったので、僕はとにかくゲームをやるために、勉強も必死で頑張ったんです。

でも一応、僕としては当時から真剣にゲームに取り組んでいて、常に「こういう相手にはこう戦おう」「こういうパターンにはこう対応しよう」と分析していたし、その経験は受験勉強でも役に立ったと感じでいます。

実際、ゲームで学んだことは、ゲーム以外の場面でも活きていますよ。小説を書くにはいろんな勉強が必要でしょうし、ストーリーも論理立てて考えているでしょうから、そこで得た知識や経験は、決して無駄にはならないんじゃないですかね。

ひとつのことに精を出すというのは、すごい人生経験になっているはずです。だから、小説を書くこともきっと将来に役立ちますよ。なんせ、ゲームですら役立っているんですから(笑)。

就職か、プロゲーマーか。究極の二択で選んだ未来

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ちなみに、僕もプロゲーマーになるときは罪悪感や後ろめたさを感じました。いい教育を受け、大学まで出させてもらったのに「ゲームの道を選んでいいのか」という葛藤があったんです。

当時はプロゲーマーなんてほとんどいなかったから、友達にも家族にもたくさん相談しました。ゲーマーの友達ほど「バカなこと言うな!」って止めるんですよ(笑)。ゲームに詳しいからこそ、いかにプロゲーマーになることが大変かよくわかっていたんですよね。

でもある日、ふと答えが出ました。“プロゲーマーとして生きている自分”と、“普通に就職して、ゲームは趣味として楽しんでいる自分”、どちらの人生が幸せかを半年くらいかけて想像してみたんです。

普通に就職した場合、やがては結婚して、子どももできて、それはそれで幸せなんだと思います。でも、家族でテレビを見ている最中にeスポーツの放送が流れ、そこではゲーセンでしのぎを削り合ったライバルたちがメインを張って試合をしている……そんなシーンを想像したとき、僕は絶対にその光景に耐えられないし、必ず後悔すると思いました。観客や視聴者はイヤだ、プレイヤーでいたい、と強く思ったんです。

正直、自分でも意外でしたね。そこまでゲームバカだという自覚がなかったので(笑)。でも、自分の本当の気持ちに気付いてからは一切の迷いが消えました。自分はこの道で生きていかなければダメな人間だということがよくわかりましたから。

お金がなくても苦に感じなかった理由

めぐるさんも、“会社員を続けながら小説を書く自分”と、“小説家一本で生きる自分”を想像してみてはどうでしょうか? 僕は前者でも全然いいと思いますし、もし後者を選べば、お金に困る可能性だってあるわけですよね。それでも幸せな人生だと思えるのか、ぜひ自分に問いかけてみてはどうでしょうか。

僕も駆け出し時代は、結構苦労していたんだと思います。当時は中野で家賃2万2千円、トイレ共用・風呂なしのアパートに住んでいました。4畳半の狭い部屋で、家には布団くらいしかなかったし、虫も出まくりましたよ。でも、蜘蛛って虫を退治してくれるんですよね。それに気付いてからは、あえて部屋の四隅に蜘蛛の巣が張っていても放置するようになりました(笑)

僕はそんな生活でも全然苦に感じない性格なので、「あの頃は大変だった」なんて思っていません。スポンサーがついてお金の心配をしなくていいようになってからも、ほとんど生活は変わりませんでした。引っ越しなんてしち面倒くさいことをするより、ゲームスキルをアップさせるほうが大事でしたしね。

もちろん、今になって「あの頃の生活に戻ってください」「蜘蛛と一緒に寝てください」って言われてもイヤですけどね(笑)。

今後も“小説が好き”なら、そのときにまた考えればいい

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あとは、めぐるさんが“どれくらい小説が好きなのか”という点も大切ですよね。

僕はプロゲーマーですが、今もやっぱり対戦格闘ゲームが好きなんですよ。未だにゲームを仕事として割り切っていないし、ゲームを純粋に楽しんでいた子どもの頃の気持ちが、今も残っています。

めぐるさんは、今まさに“小説を書く”というチャレンジをしている最中だと思いますが、この先も変わらず、ずっと小説を書くことが好きでいられる自信があるなら、またそのときに将来について悩めばいいのではないでしょうか。何度も言いますが、二足のわらじを後ろめたく思う必要なんて、全然ありません

むしろ、ゲームしかできない僕のほうが後ろめたいくらいですよ。僕なんて、彼女との食事中もゲームのことばかり考えていて、「話聞いてないでしょ!」って怒られる始末ですから……逆に、めぐるさんに相談に乗ってもらいたいくらいです(笑)

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