夢に、一歩近づくように。バイト探しの相談がいつの間にか人生を変える転職になっている、『マイナビDOCTOR』の医師への寄り添い方とは
企業と人とを結び付け、それぞれが成長する機会をつくりだすマイナビ社員を紹介する「『きっかけ』をデザインするひと」。
今回ご紹介するのは、医師の転職を支援するサービス『マイナビDOCTOR』のキャリアパートナー・Kさんです。
みなさんにとって医師は身近な存在でしょうか。
通院経験があったり、医師を相手にする仕事をしていれば別ですが、日常的に接することは少ない職種ではないでしょうか。日本の医療を最前線で支え、高度な知識・技術・精神力が求められる医師。
そんな医師たちのキャリアに寄り添うとはどういうことなのか、豊富な知識を持つ医師にどのような助言をするのか、医師の仕事探しを支えるキャリアパートナーのKさんにインタビューしました。
プロフィール
医師の仕事探しをサポートする中で、聞くこと、伝えること
私は『マイナビDOCTOR』というサービスを通して、医師の仕事探しをサポートしています。
開業医ではなく、病院などで働く勤務医師は、複数の医療機関での経験を積むためや収入を増やす目的のために、週4日程度の常勤の仕事に加えて、月1回・週1回・夜勤のみなど短時間の非常勤の仕事を組み合わせて働く方が多く、そういった方々へ求人をご紹介して勤務開始までをサポートしています。
お電話や対面での会話を重ねて働き方の提案などをしますが、質問するのは仕事の希望だけではありません。
――今までどのようなキャリアを積んでこられて、どのような分野が得意なのか。
――どのような家族構成か。生活と仕事はどのようにバランスを取りたいか。
――叶えたい夢や目標はあるのか。何歳までに叶えたいのか。
そして話を聞くだけでなく、こちらから今の転職市場や、医療業界のトレンドについて情報提供もします。
何度も会話を重ねる中で、本人も気づいていなかった希望を引き出せたり、新しい選択肢をご提案できることがあります。
今回は、私がお仕事探しをサポートさせていただいた中でも特に印象に残っている医師がいるので、そのお話をさせていただきます。
週1回のバイト探しが、新しいクリニックのオープニングスタッフへの転職に変わる。
50代の産婦人科医の方が、仕事探しのために『マイナビDOCTOR』にご登録くださいました。常勤医師として分娩や不妊治療を専門にしていた方です。
その医師の希望は「週1回の非常勤の仕事を紹介してほしい」というものでした。
お話を聞いていくと、実は「いずれは不妊治療の医院を開業したい」と考えていて、開業資金の準備のために、常勤の仕事に加えて非常勤の仕事を探したいということでした。
ちょうどその当時、不妊治療のクリニックが新規開業されることが決まっており、クリニックの責任者である管理医師募集の求人が出ていました。
少子化が進むなか産婦人科医はどんどん減っていて、不妊治療の経験がある医師も多くはありません。
そんな中、とてもマッチする求人であること、そして今後の医院開業のノウハウ蓄積につながるのではないかと思いました。「ぜひこの求人をご提案したい!」と、お話しのお時間をいただきましたが、当初は希望とは合わないとお断りのご連絡をいただきました。
「合わない」というお言葉を受け、他の求人を紹介するなどしましたが、私の中でどうしてもしっくりきていない感じがしました。
ただ希望を聞いて、それに合った求人を提供するだけで本当に良いのか。
求職者の本当の希望や今後の希望やキャリアについてちゃんと寄り添えているのか――。そんな気持ちから、もう一度面談のお時間をいただきました。
そこで私たちがお話したのは、「今後のキャリア展望と夢」についてです。
その医師の「開業したい」という夢に対して、「どのような思いからその夢を実現したいのか」「夢に向かっていくにあたりどのような選択肢があるのか?」ということを問いかけ、一緒に考えました。
そこで、「何歳までに夢を叶えたいのか」というお話になり逆算をすると、新規医院のオープニングメンバーとして管理医師を経験することは、夢に向かっていく大きな近道になる可能性があることに気付いたのです。
そのお話をすると次のようなお言葉をいただきました。
とても嬉しいお言葉でした。
最終的にはご提案したクリニックに管理医師としての就業が決まり、今も活躍されていると伺っています。
知識豊富な医師に対してサポートできることとは?
医師のみなさんは、普段から何かを決断する・判断するということには慣れていらっしゃるので、「アドバイスする」ということはあまり多くありません。
どちらかというと、論理的に考えるための根拠や情報を提供して、転職する際の判断をより納得感のあるものにするお手伝いをしている感じです。
ですがこの一件は、じっくりと向き合ってお話をうかがったこと、そして、希望だけではなく「本当にこの方のためになるのか」と考えてご提案をしたことが実を結ぶ結果となりました。
私たちの仕事は「仕事を見つけてくる御用聞き」ではなく「ともに今後の働き方を考える」キャリアパートナーです。
仕事探しは人生を変える大きな決断になることも少なくありません。そんな大切な決断の場であまり「こうした方がいい」「ああした方がいい」と自分の主張を押し付けないというのが私のスタンスです。
ですが時にはご希望を聞くだけではなく、必要であれば違う選択肢を提示するようにしています。
希望に沿ったサポートをするか、ご希望と違っても自分がいいと思うご提案をするか、バランスを取るのが難しい仕事だなとは思います。
しかし、医師のように知識の豊富な方と仕事をすること自体が、経験値になっていると感じますし、医師をご紹介することで間接的に地域医療に貢献できていると嬉しく感じることもあります。
マイナビには「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」というパーパスがあります。
「単に希望を聞くだけでなく、可能性があるものはどんどん提案していく」という私のやり方は、この考え方とリンクしていると感じます。
特に若い医師はご自身の可能性に気づいていないということがよくあります。
たとえば医師は、今まで経験してきた診療科や分野に沿ってキャリアを積んでいかないといけないと思っていらっしゃることもあります。
私たちは数多くの医師をサポートしてきているので、診療科や研究分野を超えたキャリアチェンジも実例として知っています。医師が今まで知らなかった世界、道をご提案するのもきっと私たちの役割ですよね。
医師のみなさんが私と話すことで、「過去と現在」がつながって、そして私を通じてその先の未来が見えるようになればいいなと思っています。
これからも「キャリアパートナー」として、仕事探しをする医師の方が夢や目標に近づくために、様々な可能性があるということを伝えていきたいです。