「自分の足で歩けば、目標は必ず見つかります」。将来の夢がない高校生にワクワクさんが伝えたいこと<木曜日の相談室 vol.5>
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「自分の足で歩けば、目標は必ず見つかります」。将来の夢がない高校生にワクワクさんが伝えたいこと<木曜日の相談室 vol.5>

目まぐるしく変化する毎日、慌ただしく駆け抜けた今週もあと少し。そんな木曜日の1日に、ほんの少しだけ気持ちが軽くなれるお部屋、「木曜日の相談室」

第4回目のゲストは「ワクワクさん」として活躍するタレント、久保田雅人さん。今回は「わたしの学校生活での悩み」をテーマに相談を募集し、久保田さんにお話をお聞きしました。

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久保田雅人(くぼた まさと)
1961年東京生まれ。立正大学卒業。同大在学中に中学・高校の教員免許(社会科)を取得するが、役者の道に進む。1990年4月から、NHK教育テレビ(当時)の幼稚園・保育所向け造形番組「つくってあそぼ」に、「ワクワクさん」役として出演。「帽子に丸メガネ、工作上手なお兄さん」として全国の子どもたちの人気を集めている。

久保田さんに聞いてもらいたい、「わたしの学校生活での悩み」

ペンネーム:ゆうぞうさん(16歳)
自分には「将来の夢」というものがありません。漠然と会社員になるとは思っていますが、得意なこともなくやりたいことも特にないので、自分の進路をどのように決めればいいのか分かりません。みんなどうやって自分の将来を決めているのでしょうか。ワクワクさんは、どうして「ワクワクさん」になろうと思ったのですか?

目標もなく、勉強もしなかった高校時代

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こういう相談に乗るのは初めてだから、ドキドキするね。私もゆうぞうさんと同じで、16歳の頃は将来の夢もなかったし、勉強もしていなかったな

私が高校のときは、学園祭に向けて映画作りに没頭していました。当時は8mmフィルムを回して、テープを繋いで、声を入れたりしてね。

今思えば、それが芸能の仕事に興味を持った第一歩だったんだろうけど、周りはみんな受験勉強に取り掛かっている時期だよ。それなのに、私は映画や落語研究会に夢中で、夏期講習も行かなかった。とにかく毎日を楽しく過ごしたかったんです。バカだよねぇ(笑)。

高3の学園祭が終わったときに、ようやく「さぁ、将来どうしよう」って考え始めて、そこで「担任だった木村先生のような先生になりたいな」ってふと思ったんだよ。やっと勉強も始めたんだけど、時すでに遅し。案の定、浪人しました(笑)

とにかく夢中になれることをやってみてほしい理由

私が思うのは、「とにかく夢中になれることをやってみてください」ということ。日々をダラダラと過ごしちゃいけないよ。夢中になれることをひとつでも見つけてほしいな。

「ゲームが好き」でもいいんだよ。ゲームが好きなら、ゲームを作る人になるという選択も出てくるわけだから。そこまでいけば大したもんだ。

あとは本をいっぱい読んでほしいね。私も木村先生に勧められるまで本なんて読まなかっただけど、本を読むと「こういう生き方があるんだ」っていうヒントが掴めるんだよ。どんな本でもいい。私が読んだのは夏目漱石、芥川龍之介、司馬遼太郎、松本清張、星新一……なんでも読んだよ。

本を読むと「自分もその景色が見てみたい!」って思うんだよね。だから私もひとり旅をしたし、おかげで世界や考え方も広がっていった。どう生きようかっていうことも、ちょびっと見えた気がしたな。

大学時代に人生が急転。突如として演劇の道へ

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私は結局、一浪して大学に入りました。教職課程をとって、教育実習も終えて、大学3年生のときには卒業に必要な単位もほとんど取れていたし、卒論もほぼOKだった。

でも、大学4年の春、たまたま立ち読みした雑誌に、後に私が所属する劇団の第1期生の募集広告が載っていたのを見つけて、応募しちゃったんだよね。映画や落研に夢中になっていたときの気持ちがくすぶっていたんでしょうね

それ以降、昼間は教育実習、夕方からは演劇の勉強っていう生活になったんだけど、教育実習中に「俺は教師に向いてないかもしれない」って気付いたんです。高校生は言うことを聞かないし、担任の先生ともちょっと揉めたりして、結局、教師を目指すのは辞めちゃった。

じゃあ劇団が楽しかったかっていうと、そんなに楽しいことばかりじゃなくて、むしろ辛いことだらけ(笑)。舞台をやってもお金にはならないし、安定した職業でもありません。でも、そこで演劇を選んだから、今こうしてワクワクさんになっているんだけどね

久保田さんが「ワクワクさん」になったキッカケ

ワクワクさんになった経緯を説明すると、私が最初に所属した劇団に、田中真弓さんという方がいたんです。ルフィやクリリン役の声優さんとして有名だよね。

その田中さんが昔、NHKに出入りしていて、それが『できるかな』という教育番組が終わる頃で、ちょうどディレクターが次の工作番組のパフォーマーを探していたタイミングだったんです。

それで「手先が器用で、喋らせると面白い若手が劇団にいますよ」って私を推薦してくれて、オーディションにも受かっちゃったんですよ。いやぁ、出会いっていうのは大事だね

でも、あとで知ったんだけど、オーディションを受けたのは私だけだったらしい。「何人もオーディションするのが面倒くさいから」だってさ。昭和だよねぇ(笑)

30歳手前でワクワクさん役に。遅めのデビューで苦労の連続

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ワクワクさんを演じるのは、えらい大変でした。それまで役者としての仕事はエキストラばかりで、クイズ番組の出題役や、ドッキリ番組の仕掛け人や……初めて出た映画はVシネマの死体役だったなぁ(笑)。

それがいきなりワクワクさんとしてセンターに立つんだから大変だよ。右も左もわからないし、カメラマンさんにも怒られる始末。本当に、ワクワクさんになってからは、苦労しかないね。

番組で私のアイデアが採用されるまで3年、ゴロリと息が合うまで3年、ワクワクさんという仕事に慣れるまで5年……それで『つくってあそぼ』も気付けば23年やっていたんだから、長いよねぇ(笑)。

私がワクワクさんになったのは、まもなく30歳になるという頃だったな。遅いでしょ? ゆうぞうさんなんて、まだ16歳だもんね。得意なことがない、やりたいがことないっていうけど、必ず何かあるから時間をかけてよ〜く考えてごらん

自分の足で歩けば、やりたいことは必ず見つかる

これから人生でいろんな選択が迫られると思うけど、どうか自分の責任で考えてほしい。決して、人のせいにしないでほしいと思います。

私の大学の友達は、ほとんどが教師になりました。私は当時、みんなから「なんでいきなり演劇なんだ。教師はどうした」って言われたけど、自分で決めたことだから。漠然と「サラリーマンになりたくない」って思っていたし、もしダメだったらまた考えればいいやって割り切っていたね。

ゆうぞうさんも、歩いていれば必ず分岐点にぶつかるし、そこでコケることも多いと思う。でも、めげないでほしい。やりたいことは絶対に見つけられるはずだから。

なぜかって? それは「自分で行動したから」だよ。ただ何もせずにじっとしていたら、何も見つからないよ。だからこそ、自分の足で歩くんです。ゆうぞうさんには、そういう人間になってほしいな。

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