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「みらいを、らしく、いこう。」。マイナビ社員が採用の新キャッチコピーに込めた想いと制作の舞台裏

2023年、マイナビは新卒採用メッセージを刷新し、現在は新たなコピーとして「みらいを、らしく、いこう。」を掲げています。

マイナビ内にコピーライティングを担う専門部署はなく、これまでは外部の制作会社と二人三脚でコピーを考えていました。しかし、社内には、「もっとマイナビのことを深く知る人間が作るべきではないか」といった意見も……。

そこで、もともとコピーライティングが趣味だったマイナビ社員の吉田竜裕さんをコピーライターに抜擢。数カ月の制作期間を経て、新コピー「みらいを、らしく、いこう。」が生まれました。

今回は、実際に新コピーの作成を担当した吉田さんと、吉田さんを発掘した佐原さんのふたりにインタビュー。 新採用コピー作成の舞台裏について話をお聞きしました!


吉田竜裕(よしだ・たつひろ)/写真右
2013年新卒でマイナビに入社。北海道エリアで3年間新卒採用領域のソリューション営業に従事。その後、採用管理ツールのプリセールス、オンボーディング、採用BPO業務のディレクション、採用管理ツールの企画開発業務、販促支援業務を担当。
現在は、事業企画部門で、主に新卒採用領域の新規プロダクトの企画・開発や、パートナー企業とのアライアンス商材の開発を担当。
 
佐原惠(さはら・めぐみ)/写真左
2016年新卒でマイナビに入社。就職情報事業本部へ配属となり、東京エリアで3年間新卒採用領域のソリューション営業に従事。2019年4月に人材開発部 新卒企画課へ異動し、現在は新卒採用の全体設計・企画・制作・運営を担当。


コピーライティングが趣味になったきっかけ


ーーまず吉田さんは普段、マイナビでどんな仕事をしているのか、簡単に教えてください。

吉田 今は事業推進統括事業部 企画推進統括部という部署で企画開発の仕事をしています。主に新卒採用の領域でサービスのプロダクトや企画を開発したり、パートナーと組んで商材を作ったりする仕事ですね。


ーーキャッチコピーに興味を抱いたきっかけはなんだったんですか?

吉田 もともと広告やクリエイティブに興味があったのですが、ある日、書店で「宣伝会議賞」(広告表現のアイデアを、キャッチフレーズまたはCM企画という形で募集している公募広告賞)の募集情報が載っている雑誌をたまたま見つけて、「ちょっとやってみようかな」と思ったのがきっかけですね。

それ以来、毎年必ず応募していて、最近は少し落ち着きましたが、子どもが生まれる前は会社帰りにカフェへ寄って、閉店まで黙々とコピーを考えるような生活を続けていました(笑)。


ーーそんなに一気にのめり込んだんですね!

吉田 一次選考通過者の氏名は誌面に掲載してもらえるのですが、最初の2〜3年はなかなか通過できなくて……。負けず嫌いなので、それがすごく悔しかったんですよね。最初に審査を通過したときは嬉しすぎて、いろんな人に報告しちゃいました(笑)。この時期くらいから、「趣味:コピーライティング」を自称し始めましたね。


ーーコピーライティングの魅力をどこに感じていますか?

吉田 クリエイティブの知識がなくても、絵が描けなくても、簡単に始められるというところでしょうか。時に受け手の人生や行動に大きな影響を与えるという点も魅力だと思います。私の場合は誰かに学んだり、養成講座に通ったりしたこともなく、完全に我流なので正しいやり方かどうかも自信がないのですが(笑)。


マイナビのコピーを正式に考えるようになった経緯


ーーなぜ今回、マイナビの新卒採用のキャッチコピーを考える役目を担うことになったんですか?

吉田 もともと、マイナビで採用を担当している佐原さんと前部署時代に付き合いがあったんです。

私の趣味がコピーライティングだということを、雑談の中で話していた流れで「うちのコピーも考えてくださいよ」という話になりました。半分冗談だったのかもしれませんが、私はそれをバカ真面目に受け取って、実際にコピーを作ってみたら、本当に採用されたんですよ。最初は確か、2023年卒の新卒採用コピーだったと思います。


ーー佐原さんはなぜ吉田さんにキャッチコピーの作成を依頼したんですか?

佐原 以前、外部のコピーライターさんと一緒に採用コピーを制作していたとき、マイナビの仕事内容や社風を伝えるのに苦労したことがあったんです。そこで、「できれば次回はマイナビを知ってくれている人(=マイナビ社員)と一緒にコピーを作りたい!」と思ったのがきっかけですね。


ーーちなみに、最初は冗談半分で依頼されたんですか?

 佐原 いえいえ、真剣に依頼していましたよ!(笑)「吉田さんに依頼したら良いコピーができるんじゃないか」と思いましたし、実際にいいコピーを作ってくださいました。もともと定期的にチャットで情報交換をしたり、よく仕事に関するアイデアもいただいていたので、「チャット内で留めるのはもったいない」「何か形に残せる仕事を一緒にしたい」とも思っていました。

 
ーー最初の依頼では、どんなコピーを作ったんですか?

 吉田 そのとき作ったのは「日常生活に普通にあるマイナビへ。その瞬間を、いつもマイナビから。」というコピーで、そんなに大々的に使うものではなく、あくまで制作会社さんが作ったメインのコピーに付属するサブ的な位置づけだったんです。


ーーなるほど、最初からメインコピーを担当したわけじゃなかったんですね。

吉田 そうですね。その後、「マイナビがインターンシップで新しいコースを作るので、またちょっとコピーを考えてくれないか」と相談を受けて、そこで自分としては初めてボディコピーにチャレンジすることになりました。それがこのふたつですね。

2022年、吉田さんが制作して採用された、マイナビのインターンシップ「MOVE」コースのボディコピー。
同じく「GROW」コースのボディコピー。


“マイナビらしさ”の突き詰め方


ーー2023年から使用されている新コピーの「みらいを、らしく、いこう。」は、どういった経緯で作り始めたんですか?

佐原 2022年9月、マイナビが新たに「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」というパーパスを発表したのですが、これに伴って、「採用コピーも作り直したい」と考えました。そこでまた吉田さんにお声がけをして、半年くらいかけて作り上げました

マイナビでは、「多様性」を意識した採用をしたいと考えています。ですから、コピーを決めるのも簡単ではなかったのですが、大前提として「学生目線を第一に置いたコピーにしたい」と思っていました。私たちが思っている以上に、学生の皆さんは理念やビジョンなどのメッセージを敏感にキャッチしてくれるので、「共感できる」「気づきを与えられる」といったテーマに設定しました。

吉田 私の場合、そもそも採用コピーを書いた経験がなかったので、「採用コピーとはどうあるべきか」というところから始めました。まずは新パーパスを作った過程やその際の議論などをすべて共有してもらって、自分の中で腹落ちさせる作業から始めました。


ーー本当にゼロからの作業だったんですね。

吉田 そうですね。そして、新パーパスができあがった経緯も踏まえた結果、大前提として「マイナビが存在する理由に共感する人が集まるコピーにする」という軸を定めました。

そこから抽象度の高いペルソナ設定を自分の中で作って、マイナビのパーパスに共感できる人は、「人に興味がある」「選択肢が多い社会が良い社会だと思う」「新しいもの、環境を受け入れられる」といったタイプだと絞り込んでいったんです。


ーーまずはペルソナ設定から始めた、と。

吉田 そのうえで、マイナビっぽいコピーにするにはどうすればいいかを考えました。学生向けのコピーではあるけど、マイナビの社員や社員の家族、クライアント、すでに辞めた社員も含め、マイナビに関わる全員が「マイナビっぽいね」って感じるものにしたいと思ったんです。そこで、マイナビ社員が実際に使う言葉がどんなものなのかを、知る作業を始めました。


ーーマイナビ社員が実際に使う言葉、ですか?

吉田 はい。採用ページに掲載されているマイナビ社員のインタビュー記事やマイナビ社員のムービーをすべて見返して、どういう言葉が実際に社内で使われていて、外に発信されているかを研究し、情報を整理しました

「マイナビ社員が実際に使う言葉」の分析(吉田さんのプレゼン資料より)

そうしていくと、マイナビの社員たちは自分の仕事について、「楽な仕事じゃない」としながらも、「その分、成長が早い」「刺激が多い」「妥協しない」「居心地のよさに安住しない」みたいなワードを使っていることがわかってきたんです。


「マイナビ社員が実際に使う言葉」の分析(吉田さんのプレゼン資料より)

これらを図にして整理していくうちに、自分に向けた言葉が多いのに気づきました。その上で、マイナビらしさというのは「真摯に向き合う姿勢。そこで生まれる、可能性を広げること」なんじゃないかというところまで言語化できました。ここまできて、ようやくキャッチコピーを作る土台ができた感じです。


ーーインプットだけでも膨大な作業だったんですね……。

吉田 それでも、ここまで一週間もかかっていないと思います。どこかにある言葉をまとめているだけで、そこまで苦労した記憶はないです。ここから先は無いものを作り出す作業に入ったので、かなり時間がかかりましたけどね。


ーーその後、具体的にどんな作業を行ったのでしょう?

コピーの方向性①学生の横に並んで伝えるイメージ(吉田さんのプレゼン資料より)

まずはコピーの方向性を定めるため、採用担当者たちと、どんなスタンスで伝えるコピーにしたいかを話しました。①学生の横で同じ方向を向いて伝えるイメージにするか、②正面から向き合って厳しさを伝えるイメージにするか、それとも③大勢の学生に呼びかけるイメージにするか、といった方針のすり合わせを行っていきました。

ここでは結果的に①がいいだろうというフィードバックを受けて、メインコピーは、横に並んで同じ未来を見ながら問いかけるような表現を前提にすることにしました。そこからはひたすらコピーを考えまくる作業に入りましたね。

コピー案は2週に1回くらいのペースで、毎回10個ずつ用意してプレゼンに臨み、取捨選択を繰り返しながら絞り込んでいきました。

ある回のコピー案(吉田さんのプレゼン資料より)

佐原 吉田さんは、私たちと一緒に考えることも大事にしてくれていましたが、常に提案し続けてくれたことが印象に残っています。正解がないからこそ煮詰まってしまう場面もあったのですが、吉田さんが発信し続けてくれたことで、とても救われました。一つひとつのコピーに吉田さんの考えや、なぜこのワードをチョイスしたのかのプロセスまでしっかり示されていて、説得力もありましたね。


着想源はラテ欄! 新採用コピー「みらいを、らしく、いこう。」の誕生秘話


ーー最終的に採用された「みらいを、らしく、いこう。」は、どういったきっかけで思いついたんですか?

吉田 新聞のラテ欄に、たまに縦読みでメッセージを潜ませて話題になっていることってあるじゃないですか? 「みらいを、らしく、いこう。」もそこから着想を得ていて、縦読みしたときに「みらい」になるように考えたんですよね。


ーーいつ頃、思いついたんですか?

吉田 実は序盤で、確か休日に駅のホームで子供を抱っこしているときに思いついたんです。本当に急で手も塞がっていたので、横にいた妻に口頭で伝え、スマホにメモってもらったのを覚えています。


ーーそのとき、すでに「いいコピーができた」という手応えはありました?

吉田 印象的なフレーズになったなという気がしましたが、他にも推しがあったので、そこまでの自信はなかったと思います。縦読みという意味では、当初はある種変化球枠として10案の中の最後に忍ばせていましたが、時間が経つに連れて、縦読みこそ変化球ですが、コピー自体は、「これがいいんじゃないか?」という気持ちに変わっていったと思います。


ーー「みらい」という言葉にはいろんな意味が込められていそうですね。

吉田 ここで言う「みらい」は、誰の未来と捉えてもらってもいいと思っています。自分の未来でもいいし、マイナビの未来でもいいし、幅広く捉えられるのがこのコピーのいいところだと思っています。あとは、2方向に読めるのは、いろんな角度から見える未来があるという風にも取れるかなと思います。


ーーコピーは全部でいくつくらい考えたんですか?

最後まで残った5つの案(吉田さんのプレゼン資料より)

吉田 ピンキリ含めて150〜200案くらいは考えて、年末には4案まで絞り込みました。最後はボディコピーも作ってから正式に選ぼうという話になったので年末年始もずっとボディコピーを考えていました。それこそ帰省時の往復の飛行機の中でも考えていましたね(笑)。

ちなみに、採用されたボディコピーはマイナビ採用ページの「採用メッセージを見る」というボタンをクリックしてもらえればご覧いただけます。

 最終プレゼン資料に記された、「みらいを、らしく、いこう。」のボディコピー。若干の修正が加えられ、正式に採用された。


ーー9月にスタートしたコピー作りが、年明けになってようやく終わったということですか?

 吉田 そう考えると長かったですね。最終4案のボディコピーを提示するまでが私の仕事で、あとは採用担当のみなさんに選んでもらったという感じです。


ーー採用担当側も、コピーを絞り込む作業は大変だったんじゃないですか?

佐原 そうですね。コピー会議を重ねているとだんだん欲が出てきて、もっといろんなことを伝えたくなってくるんです。結果、学生へのメッセージが厳しくなっていくというか、上から目線で諭すような方向にいきそうにもなったので、常に原点である「学生目線に立つこと」を忘れないよう心がけました。

 
ーーもっとああしたい、こうしたい、といった想いが広がっていくんですね。

佐原 みんなそれだけ強い想いを持っていたんだと思います。だけど、採用担当全員の認識が合わせられるコピーにしないと、我々の伝えたいことが選考フローの過程でブレてしまう懸念もあります。ですから、採用担当が日頃学生に伝えているメッセージとリンクしやすいコピー、そして当社が強く打ち出しているパーパスとも繋がるコピーに絞り込んでいくよう意識しました。


ーー結果、「みらいを、らしく、いこう。」が採用されたわけですが、満足度としてはいかがでしょう?

吉田 これを超えるコピーは自分では作れなかったと思うので、満足しています。自分でも一番しっくりきていたものが選ばれたのもよかったですし、「このコピーを見てマイナビに入社したいと思った」という人が入ってきてくれたらすごく嬉しいですね。

佐原 私たちが意識していた点もすべてクリアしていただきましたし、マイナビが取り組んでいる事業の魅力もしっかり伝わる内容になったと思います。シンプルなのに、縦読みすると「みらい」になる仕掛けもすごく好きです。

軽快で明るい印象もあるので、採用サイトや採用パンフレットなどのデザインとの相性もとても良いと思います。パーパスで使っている言葉も盛り込んでいるので、学生に伝えているメッセージに一貫性を持たせることもできました。


ーー「『らしく』の部分について、『何でもOKと耳障り良く聞こえてしまうのではないか』という意見もあった」とうかがいました。

佐原 確かにそういう議論もありました。学生の皆さんからは、「採用キャッチに『らしく』が入っているので、「自分らしく働ける環境があると感じた」「自分らしさを尊重してくれると感じた」といった声が届いていますが、「らしさ=ありのまま」ではなく、成長した先に「自分らしさ」は生まれてくるものだと思います。そこは採用担当全員が同じ認識をもって伝えるようにしています。


ーー途中、挫けそうになったりはしなかったんですか?

吉田 もともとコピーを考えるのは好きなので、心が折れそうになったりすることはありませんでした。ただ、いくつ案を出してもなかなか決まらないので、「これ、ホームページの更新締め切りまでに終えられるのだろうか」と不安になったことはありましたが……(笑)。

確かにプレッシャーもありましたけど、何よりこんな機会をいただけてありがたいという思いが一番強かったですね。新卒採用パンフレットに掲載されていますし、親や祖母にも見せられて、親孝行できたという満足感もあります。

佐原 たくさん悩ませてしまって、本当にすみませんでした!最後まで走っていただけて、感謝の気持ちでいっぱいです……! 社内の人間同士だからこそ、言語化しにくい部分を理解してもらえる心地よさがあったので、今後もどんどんお願いしたいと思っています!

吉田 今回、採用コピーを作ってみて、内実を知っている社内の人間が作ることで、より「マイナビらしさ」が発信できると改めて感じました。このコピーを書いた自分自身が、「みらいを、らしく、いこう。」を体現する生き方でなければいけないなと思いました。自分にとっての、「らしさ」の1つがコピーライティングなので、ぜひまた機会があればよろしくお願いします!




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