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「クリエイティブ力には自信ない」そんな自分がBtoB広告賞金賞を受賞できた理由

クリエイティブの力で企業と人とを結び付け、それぞれが成長する機会をつくりだすマイナビ社員を紹介する新連載「『きっかけ』をデザインするひと」。第1回となる今回ご紹介するのは、新卒採用向け広報の企画/制作ディレクター・平田裕清(ひらた・ゆうせい)です。

マイナビの新卒採用向けサービスといえば、『マイナビ2023』といった就職情報サイトを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はそれ以外にも企業の新卒採用を成功に導くための多くのソリューションを提供しています。

その中の一つが、企業オリジナルの採用広報物の企画・制作です。例えば、採用HPや採用案内パンフレット、説明会で流す動画など。学生に対して自社の情報を分かりやすく伝え、魅力をアピールするためのオリジナルツールを、クライアントからお話を伺い、一緒に考えながらご提案、制作しています。

そんなディレクター職を7年にわたって務め、一般社団法人 日本BtoB広告協会が主催する「2022日本BtoB広告賞」入社案内の部 金賞の受賞歴もある平田。しかし「自分自身にはクリエイティブ力はそんなにないと思っている」「自分はディレクターというよりはプロデューサー」と言います。そんな彼ならではのものづくりの武器とは?じっくりとお話を伺いました。

プロフィール
株式会社マイナビ 就職情報事業本部 企画運営統括本部 企画運営統括部 東京制作2部東京制作2課 課長 平田 裕清(ひらた・ゆうせい)

イベント制作会社でのディレクターを経て、2015年に中途でマイナビに入社。それ以来東京の中堅~中小企業を中心に、新卒採用向け広報物の企画・制作ディレクションを担当。2019年より課長となり、課員のマネジメントにも注力。プライベートでは1児の父。

良いクリエイティブを生み出すのはチームの信頼関係から

マイナビには採用を成功に導くためのさまざまなサービスがありますが、僕が担当しているのは、企業オリジナル広報物の制作です。

採用コンセプトの立案、採用サイト、採用パンフレット、動画から、SNS運用、コーポレートサイトの制作まで多岐にわたりますが、就職情報サイト上の制作物と異なるのは、表現の自由度の高さです。それゆえに、深くクライアントを理解し、課題を定義し、それに対するソリューションを企画することが基本かつ最重要です。

JA共済連・採用パンフレット
JA共済連・採用パンフレット

これまでの取り組みで特に印象に残っているのは、全国共済農業協同組合連合会・通称JA共済連様の案件です。JA共済連様は、JA(農業協同組合)の保障領域を担う組織で、一般企業とは異なる非営利組織であるという点が大きな特徴であるがゆえ、安定志向の学生が集まりやすい傾向にありました。

しかし、新型コロナウイルスの流行や大規模災害など、新たなリスクが国内で多発。こうした状況下で組合員・利用者の生活を守り抜くためには、これまでにない新たな保障の仕組みを構築・運用・普及させる必要が出てきました。そのため、「挑戦心のある人材の獲得」が新たな課題として浮上していたのです。

そこで、ご提案したのが「新たなリスクから人々の生活を守る」というミッションに特化した採用パンフレットの制作でした。既にあった採用HPでは会社の情報が全体的に網羅されていたため、選考期間全体を通して閲覧できるプラットフォームとして活用してもらい、採用パンフレットは学生に送付。

採用メッセージは「この国の未来を支える挑戦を。」。社会課題に対し真摯に向き合う姿を、実際の事例を通して伝えていきました。その熱量まで感じられるよう、クリエイティブチームはコピーと写真・デザインに腐心。選考中にじっくりと読んでもらい、JA共済連の挑戦する姿勢に対して理解を深めてもらえることを狙いました。

2022BtoB広告賞の授賞式にてJA共済連のご担当者様と

この採用案内のパンフレットは、日本が抱える課題に真正面から向き合った点を評価され、一般社団法人 日本BtoB広告協会が主催する「2022日本BtoB広告賞」入社案内の部で金賞を受賞。学生がJA共済連様に抱く印象も「使命感を感じるかっこいい仕事」という方向に変化し、狙い通りの効果を得ることができました。

この案件が印象に残っている理由は、受賞自体がうれしかったのはもちろん、クライアントからの信頼を得て、一体となって作り上げることができたという点です。

先方のご担当者様は、こちらからの提案は否定せずいったん全て聞き入れてからじっくりと検討し、必要と判断したことを採用するというスタイル。また、マイナビとは数年にわたる長いお付き合いを続けてくださっていて、深い信頼関係が築けていました。おかげで、制作担当としても先方にとって本当に必要だと思うソリューションを十分に提案できたうえ、先方からの要望にも良い形で応えることができました。とても理想的な関係を構築できたのではないかと思っています。

埋もれている魅力をクリエイティブの力で引き出す醍醐味

もう1件、印象に残っている案件があります。クライアントはBtoB商材の素材メーカーで、商材そのものの知名度が低く、学生からはなかなか興味を持ってもらえないという課題がありました。しかし、その素材はものづくりに欠かせない材料で、さまざまな産業を支えています。そんな素材を生み出す仕事の魅力が世の中に埋もれてしまっているのはもったいないなと思ったんです。

そこで、素材自体のブランドリフトを行い、「世の中になくてはならない素材」であることを理解してもらう方向で採用サイトを制作。工場に出向き、工場の雰囲気や素材、現場で働く人たちを、質感が際立つようにかっこよく撮影することで、その魅力をクリエイティブの力で引き出すことができました。

こうしてできあがったサイトは学生からも好評で、エントリー数・説明会参加者ともに大幅に増加。テレビ番組でも取り上げてもらえるなど、知名度をぐっと向上させることができました。地方の工場での数日がかりの 撮影で、クリエイティブチームやクライアントと仲を深められたのも、良い仕事につながったのだと思います。

武器は「チームの士気を高めるトーク」

これまでの経験から、良い仕事は良いチーム作りが土台になっていると感じています。実は僕自身にはクリエイティビティはそんなにないと思っていて、良いモノができたとき、それはクリエイティブパートナーのみなさんのおかげなんですよね。ただ、良いモノをつくるためのチームビルディングや、円滑に進行するためのパートナーとのコミュニケーションについては、かなり意識している部分があります。

僕自身のキャリアは、新卒で入社したイベント制作会社からスタートしました。主にプロモーションイベントのプロデューサーとして、企画、進行管理、会場作り、会場で流す動画制作のディレクションなど、イベント全体の制作責任者・調整役のポジションを任されていました。
イベント本番日という絶対的な締切がある仕事ゆえ、シビアな局面に立たされることもあり、苦労することも多かったのですが、この仕事を通して自分の役割に全力で向き合い、責任を果たすという「やり抜く姿勢」を教わったと思っています。

この徹底した調整役の立場からキャリアをスタートしたこともあり、マイナビでの仕事も、クリエイティブチームをいかにして動かし、理想を形にしてもらうか、という点を意識して仕事をしています。

クリエイティブを見た時の学生とクライアント、それぞれからの印象が最大値になるポイントを探り、そこに近づくよう練り上げていくわけですが、実際に手を動かすのはクリエイティブチームのデザイナーやディレクター。僕自身はその作業を的確に、かつ気持ちよくやってもらうためのコミュニケーションを常に心掛けていますね。

具体的な例を挙げると、メールだけでなく、大事なポイントで電話を入れてお互いの理解に齟齬がないようにする。その際は相手の良い点をたくさん伝えたり、専門用語を多用せずなるべく分かりやすい表現を使ったり、相手に受け入れてもらえるような声のトーンやボリュームを心掛けるといった、快く動いてもらうための話し方を意識しています。

クライアントの懐に入り込んで関係性を構築する

これはクライアントに対しても同じで、僕は提案のときになるべく冗談を言ったりして、ちょっと笑いをとるように心がけているんです。

真面目な雰囲気よりはフランクな雰囲気の中で提案を聞く方が企画書の中身が頭に入ってきやすくなると思いますし、僕自身どうせやるなら楽しく仕事したいと思っているので、相手にも「こういう笑いあえる関係性の人と仕事したいな」と思ってもらえるんじゃないかと思っています。

進行においてもそうで、「これは気を付けたほうがいいな」と思う場面こそ、明るく前のめりにスピーディに対応する。それを心がけていると、クライアントからの信頼にもつながるので、ゴールまでの道のりが楽になるんですよ。こんな感じで、コミュニケーションをちょっと意識するだけで提案が通りやすくなったり、スムーズに進行できるようになるっていうのは実感しています。

今後の課題は部下の育成

こうして、制作メンバーの一人としては成果を出せるようになってきたと思いますが、2019年に課長になってからは課員のマネジメントに対して課題を感じています。チームメンバーのモチベーションや仕事効率を上げていくことに対しては、まだまだです。

今まで自分としては「仕事は楽しむもの」というスタンスで仕事をしてきました。クライアントやクリエイティブパートナーとは、一緒に楽しんでプロジェクトを進めていきたい。今後ももちろん、それを追求していきたいです。どんなに困難な案件に対しても、めげそうな気持は一旦置いといて、前のめりに泥臭く明るく取り組む。そして、そんな仕事の在り方を課員にも伝えていきたいですね。

私の上司はクリエイティブ人材の育成や売上への貢献などの考え方がしっかりしていて、お手本にすべきところがたくさんあります。そこから学びつつも、自分らしいマネジメントの形を見つけていきたいなと思っています。自分自身もより大きなチームをまとめるポジションを目指していくためにも、そのあたりの力をもっとつけていきたいですね。


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