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“ダイナミック”から“親しみやすさ”へ。マイナビのイベントロゴが10年ぶりにリニューアル!

約10年にわたって使用していたマイナビのイベントロゴが、このたびリニューアルすることになりました。背景には、就活の進め方や合同説明会の多様化、それに伴うマイナビとしての学生への寄り添い方の変化などがあります。

いま、マイナビがロゴのリニューアルを通して学生に伝えたいことは何なのでしょうか。キーパーソンであるマッティン・ハンソンさんと伊藤愛美さんに話をお聞きしました!


 プロフィール

マッティン・ハンソン(写真右)
株式会社スタジオ・パー 代表。
スウェーデン出身で、母国のブランディング会社のデザイナーを経て、株式会社リスキーブランドのクリエイティブ・ディレクターとして15年以上、大企業からスタートアップまで、多様な事業や組織のブランドをデザインを担当。
2007年に人材情報ポータルサービスを「マイナビ」にブランド統一した際や2011年に社名を「株式会社マイナビ」に変更した際のロゴデザインも担当した。

伊藤愛美(いとう・あいみ/写真左)
株式会社マイナビ イベントコミュニケーション企画部 イベント・WEBセミナー広報課
2015年マイナビ中途入社
関西にて、イベント(合同説明会)、WEBセミナーの企画運営進行を担当。現在は、イベント・WEBセミナーの年間広報スケジュール作成のほか、マス向けを含む学生向け広報物の制作、WEB広告運用を担当。

 

「マイナビ就職EXPO」のロゴをリニューアルしたワケ

ーーまずは自己紹介からお願いします!

マッティン 「Studio Per(スタジオパー)」という会社を経営しているマッティン・ハンソンと申します。日本語は……まぁまぁできます(笑)。
普段はいろんな会社のブランディングを手伝ったり、ブランド戦略を練ったりする仕事をしていて、“ブランドデザイナー”と名乗ることもありますが、もっとフラットな感じで働いています。
マイナビとは2006年頃、まだ毎日コミュニケーションズ(社名変更前のマイナビ)だった時代からの付き合いですね。

伊藤 伊藤愛美です。就職情報事業部のイベント・WEBセミナー広報課に所属しています。仕事内容としては、主に新卒学生向けのイベント(合同説明会)の広報回りを担当しています。
マイナビページ上でのイベント・WEBセミナーページの設計、チラシ、DM、ランディングページの制作物も作成します。また、マス向けの交通広告、TVCMの制作やWEB広告の運用など、業務範囲は多岐に渡ります。


ーーありがとうございます! それでは、なぜ「マイナビ就職EXPO」のロゴをリニューアルすることになったのか、その経緯などを教えてください。

伊藤 今回、約10年ぶりにイベントロゴをリニューアルすることになりました。10年前と現在では就活のスケジュールや進め方も大きく変化しています。
就活に対する採用と学生ニーズの多様化が進み、マイナビとしてもより精度の高いマッチングを目指すことでイベントシリーズ、開催数、規模も増やしてきました。開催形式も、かつては対面のみだったのが、現在ではオンラインイベントの需要も高く増えてきました。
結果として、これまでイベントシリーズ、開催数が増える度にに多種多様なイベントロゴを作ってきたのですが、その都度しっかりブランディング面も考慮して制作できていたわけではないため、デザインもバラバラでした。そのため、そろそろちゃんと統一したイベントロゴを作りたいなと考えていました。

マッティン ブランド的にも、10年前と今では状況がまるで違うと思っています。当時のイベントは、東京ビッグサイトで開催するような大規模なものがメインでした。
旧ロゴは“トゲトゲした部分”が象徴的ですが、これはイベントの規模の大きさや、マイナビブランドの強さ、大胆さを感じさせるイメージに基づいて作ったんです。でも、この10年でイベントの形式も大きく変わり、イベントロゴも大きくアップデートするタイミングだよね、ということで話し合いを始めました。

約10年使われた旧ロゴデザイン


10年前と今で様変わりした「就職活動」をめぐる状況

 

ーー10年前と今では、それほど違うんですね。

マッティン マイナビの社員数も全然違うし、マイナビブランドの認知度も全然違いますからね。当時は全然知られていなかったけど、ブランド認知度調査によると、今はもう9割近くの認知度があります。そんな日本のブランドもなかなかありませんから、やっぱりその資産は上手く使っていかなければもったいないと思っています。

伊藤 10年前と比べ、イベントの開催数は2倍くらいに増えています。就活を始める時期も、当時は一斉スタートだったのが、現在は夏頃よりインターンシップに参加する学生もいれば、秋から就活準備を開始する学生もいて、就活の開始時期、進め方もバラバラです。
そういった背景も踏まえて、「マイナビのイベントロゴも規模感や大胆さを彷彿させるものより、新しい価値を組み込んだものにしたいよね」と話し合ってきました。


ーー話し合いの中で、ロゴをどのように変えていこうという話になったんですか?

マッティン まず議論したのは、「マイナビをどこまで表現するか」ということ。マイナビを象徴する“ウェーブ”も、旧ロゴには入っていなかったけど、新ロゴには入れました。結論としては、マイナビのブランドをより強く打ち出したほうが良さそうだな、という方向性になりました。
書体についても、マイナビのコーポレートロゴで使われてる書体を採用したうえで、もうちょっと丸っこくて優しい感じにアレンジするなど、マイナビのエッセンスを取り入れることにはこだわりました。

伊藤 こちらからの要望としては、「学生にとってわかりやすい、イベント名がわかるデザインがいい」というようにお伝えしましたね。
あとは、旧ロゴのトゲトゲした「O」マークのように、今回もシンボルマークとなる部分は入れ込みたいという要望も出させていただきました。そこでマッティンさんに提案いただいたのが、グラデーションになっている「X」のマークです。

 

「X」のグラデーションロゴに込めた想い

 

ーー「X」のマークというのは、新ロゴの核となる部分ですね。

伊藤 この「X」のグラデーションは、「広がっていく未来の可能性」という部分の表現でもあるんです。
学生にとって就活は、自分を知る・社会を知る第一歩です。自己分析を通して自分と向き合い、業界企業研究を通して社会を理解していく。その中で、キャリアを歩んでいく自分をイメージしながら選考に進んでいきます。時には、エントリーシートの段階で落ちてしまったり、面接まで進んだけれどイメージと違っていたり、多くの迷い、葛藤も経験すると思います。もちろん自分の活躍できる企業に出会えた喜び、達成感も。
様々な感情を乗り越えて、自分なりの答えを見つけていく、そんな気持ちの変化を、このグラデーションで表現できたと思っています。

マッティン この「X」のロゴは2つの矢印で形成しているのですが、これは学生と企業の出会いなども表現しています。
マイナビはオンライン、オフラインの両方のイベントに力を入れています。その両方があることで、企業と学生の出会いの質も高まるはずなんです。この「X」のロゴは、そういった「出会い」にフォーカスして作りました。

新ロゴのシンボルはグラデーションの「X」

伊藤 コロナ禍を経験したことで、ちょうど対面イベントの価値を見つめ直していたところでもあったんです。そこを検討した結果、企業と学生の「出会い」というワードの重要性はこれまで以上に高まっているんじゃないか、と考えるようになりました。

マッティン 「X」ロゴだけじゃなく、イベントのロゴは全部で20数種類もあったので、それを整理するのも大変でしたね。ただ一方的に整理するだけだと、今までの良さまで失われちゃうから。

伊藤 イベントの数が多すぎるので、ここに統一感をもたせる作業は大変でした(笑)。いろんなデザイン案を出してもらいましたが、あまりに個性的すぎるロゴだと、なかなか応用が利かないという悩みもあり……。

 

マッティン そこは結局、書体を工夫することで解決しました。見ていただければわかりますが、ロゴの書体はパーツが分かれているんです。これは「就活も多様化する中で、敷かれたレーンを辿るのではなく、自らキャリアを組み立てていってほしい」という私たちの思いも表現しています。

伊藤 「WEB」のイベントをどう表現するかといった議論もありましたね。

マッティン そうそう。それとこの先、WEBのイベントが主流になった場合、もはやわざわざWEBであることを強調する必要もなくなるわけだから、逆に対面イベントのほうをどう表現するかということも考えなきゃいけないんじゃないか、という話もしましたね。

新ロゴを通して「マイナビとの距離感を縮めてほしい」

新ロゴの制作段階ではさまざまなアイデアが出された


ーー紆余曲折を経て新ロゴが完成したわけですが、満足度はいかがですか?

伊藤 イベントロゴのリニューアルには一年以上の時間を要しましたし、大変なことも多かったですが、結果としてはとても満足しています。一番大変だったのは、調整しなければならない関係者が非常に多かったところですね(笑)

マッティン お疲れ様でした!(笑)

伊藤 マイナビサービスの中でも、イベント(合同説明会)は非常に関係者が多い、影響範囲の大きいサービスです。
全国で開催しているイベントは、各エリアにイベントを運営するチームがいて、学生向けの広報物の制作も行っています。そのため、制作する上での使いやすさという点でもリニューアルするイベントロゴが満足のいくものにできるかどうかが非常に難しい点でした。

マッティン 全員が納得できる正解なんてないもんね。

伊藤 イベントロゴを制作する上で、たくさんの方にご協力いただき、意見を伺いました。
様々な視点のアドバイスをいただいたのですが、私は性格的に「その視点も確かに・・・」と共感しすぎてしまうタイプなので、意見集約が非常に困難でした(笑)。
しかし、ロゴリニューアルは複数人のメンバーで進行していたため、チームメンバーの力も借りて「ロゴの役割」「提供価値」「上位方針」「汎用性」など優先順位をしっかり決めて進行することで、最終的に納得感の大きいイベントロゴを制作することができたと感じています。自身の成長はもちろん、チームで作り上げていく大切さを学ぶことができました。

 

ーーマッティンさんとしても、満足いくものになりましたか?

マッティン そうですね。ロゴに対しては人それぞれいろんな思いがあったはずなので、それを変えるのは本当に難しい作業なんですよね。だけど、使い始めてみれば、それはそれで良さが見えてくると思うんです。
テーマを「出会い」にしたことで、よりマイナビと学生の距離感も明確にできたと思います。書体もよりグラフィカルで親しみやすくなったし、パーツを解体していろんな組み立て方もできるので、システム的な可能性も広がったと思っています。


ーー確かに、書体から親しみやすさは感じますね。

マッティン マイナビブランドっていうのは、やっぱり「マイ」が付くぐらいだから、親しみやすさや寄り添っていくという意味合いが大事。そういうマイナビらしさを表現しつつ、「キャリアを自分で作り上げていく」という意味合いも加えられたので、そこはよかったんじゃないかなと思います。


ーー学生のみなさんには、この新ロゴのどういう点に注目してほしいと考えていますか?

 

伊藤 正直に申し上げると、イベントに参加している学生のみなさんの多くは、その主催者がマイナビだということをそれほど意識してないというのが実情だと思うんです。だからこそ、リニューアルしたイベントロゴに込めた想いでもある「広がっていく未来の可能性」をイベント(合同説明会)に参加することで感じていただき、マイナビは学生のキャリアを考えるきっかけに寄り添い、応援してくれていると少しでも伝われば嬉しいです。

マッティン このロゴに接するタイミングって、就活のときだけなんですよね。就職後はもう接する機会がないわけですから。そういう意味では、このロゴはマイナビの入り口的な役割でもあると思います。このロゴをキッカケに、ぜひマイナビとの距離感を縮めてほしいし、このロゴに接したことで良い就活ができたと感じてくれたら嬉しいですね。

伊藤 イベントのロゴリニューアル業務は、“イベントの価値とは何か”といった本質的な部分を改めて考えるいい機会になりました。約10年ぶりのリニューアルとなりましたが、ロゴマークというものはそう頻繁に変更するものではないので、今回リニューアルしたイベントロゴもまた5年、10年と使い続ける、愛され続けるロゴに成長していければ・・・と心から願っています。

 

 

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