モチベーションって実は“自己中”な考え方。世界王者・村田諒太選手聞いた「仕事のモチベーションがあがらないときには?」<木曜日の相談室 vol.4>
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モチベーションって実は“自己中”な考え方。世界王者・村田諒太選手聞いた「仕事のモチベーションがあがらないときには?」<木曜日の相談室 vol.4>

目まぐるしく変化する毎日、慌ただしく駆け抜けた今週もあと少し。そんな木曜日の1日に、ほんの少しだけ気持ちが軽くなれるお部屋、「木曜日の相談室」

ゲストは、前回に引き続きボクシング世界王者の村田諒太選手「わたしが今、壁にぶつかっていること」をテーマに相談を募集し、村田選手にお話をお聞きしました。

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村田 諒太(ムラタ リョウタ)
1986年、奈良県生まれ。中学時代にボクシングを始め、高校時代に五冠を達成。2004年に東洋大学に進学、全日本選手権で優勝。2012年、ロンドン五輪ボクシング・ミドル級で金メダルを獲得。2013年にプロ転向。2017年にWBA世界ミドル級王座決定戦で、22年ぶりとなる日本人ミドル級王者に輝く。

村田選手に聞いてほしい「わたしが今、壁にぶつかっていること」

ペンネーム:マッシュさん(32歳)
相談内容:仕事のモチベーションが保てず、自分の成長に限界を感じています。入社後10年くらいは毎日活き活きと仕事をして成果もあげていましたが、最近はモチベーションも上がらず、仕事を淡々とこなすだけに……。転職も考えましたが、妻もおり、もうすぐ子どもが生まれるタイミングなので、躊躇ってしまいます。村田選手はボクシング一本を極めていますが、限界を感じて辞めたいと思ったことはありませんか? そのとき、どう乗り越えたのでしょう?

「モチベーション」とは“自己中”な考え方

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僕も大学職員という安定した仕事を捨ててプロボクサーに転職しているので、転職に勇気が必要なことは知っています。

まずはモチベーションについてですが、モチベーションって、実はあんまり重要じゃないんですよ。

ボクサーなら試合に勝つこと、お客さんを喜ばすことが目的であって、モチベーションを上げることが目的ではない。モチベーションが高くても、つまらない試合でお客さんを退屈させてしまったら、僕らの仕事は成立しませんよね。

モチベーションってある意味で“自己中”な考え方で、マッシュさんも自分では「成長していない」と思っているかもしれませんが、周りからは必要とされているだろうし、周りは助かっているはずなんですよ。

マッシュさんが会社の一員でいる意味は、自分で考えているよりも大きいと思います。

まずは「成長しない理由」を整理して考えよう

では、成長できないと思う理由は何でしょう。そもそも「成長」とは何を指しているのでしょうか。

スキルアップのことであれば、それに取り組めばいいと思います。一概に「成長」や「モチベーション」という言葉で括ってしまうと、論点がボヤッとしちゃう気がします。

成長できないのは、新しいことに挑戦していないからか、仕事に集中していないからか、まずはそこを細分化して整理したらいいかもしれません。

僕がプロボクサーに転職した一番のキッカケは、NHKの「課外授業 ようこそ先輩」という番組に出演したことでした。そこで子どもたちと触れ合ったことで、「俺もガキの頃の気持ちを忘れちゃダメだ」と奮起できたんです。

それまでは、「このまま大学職員でいても輝けない」と後ろ向きな気持ちで転職を考えていたので、嫁さんには「そんな気持ちで転職しても絶対に成功しないからダメ!」と怒られました(笑)。

でも、番組出演を機に気持ちも変わって、嫁さんに「もう一度夢を追いかけたいんだ」と伝えたら、「いいよ!」って即答してくれたんです。マッシュさんも、僕よりもまずは奥さんに相談してみてはどうでしょう?(笑)

ボクシングの「限界」を乗り越えた2つの方法

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僕もボクシングに限界を感じて、辞めたいと思ったことはあります。

2008年の北京五輪の予選で負けて、本当に一度は辞めました。それをどう乗り越えたかというと、やはり“自分との対話”だったと思います。

当時はフィジカルをたくさん鍛えていたのですが、結果が付いてこなかった。そこで、じっくりと自分を見つめ直し、思い切ってトレーニング方法を変えたんです。すると、結果も出るようになりました。

でも、フィジカルトレーニングに意味がなかったわけでもないんですよ。何もないところに花は咲きません。実はフィジカルトレーニングは土を耕す作業で、そこに種を撒いたからこそ、次のトレーニングが活きたんです。結果、金メダルを獲ることができました。

プロでダメな試合が続いたこともありました。そのときは、自分のダメな姿を振り返ることで克服しましたね。

ダメな試合が続くと、自分の試合を振り返れなくなるんです。それでも勇気を出して録画を見てみると、ダメすぎて修正点がいっぱい見つかりました。限界を感じたときは、自分を振り返るといいと思います。

「マンネリが一番の敵だ」

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マッシュさんも入社から10年は活き活きと仕事をされていたんですね。僕はボクシングを始めてもう22年。うーん、長いなぁ(笑)

僕も普段、全然楽しくないですよ。でも、毎日毎日楽しかったら、おかしくなりますから。毎日がハッピーだったら、幸せが鈍化してしまいます。辛い時期の合間に、たまに幸せがある。そのバランスがいいんじゃないですか

仕事を長くやっていれば、マンネリ化することもあると思います。そういうとき、僕は新しいトレーニングを試したりして、刺激を与えていますね。僕のフィジカルトレーナーも「マンネリが一番の敵だ」と言って、いろんなトレーニングをさせてくれます。

毎日走って、サンドバッグ叩いて、縄跳びして……試合も決まらないのにそんなことばっかりしていても、楽しいわけがないですから(笑)

プロボクサーとして目標額は稼いだ。それでも不安は続く

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マッシュさんは仕事もあって、これから子どもも生まれてくるんだから、とても恵まれているように思いますけどね。よく言えば上昇志向があって、悪く言うと欲求不満ということなのかな。どちらも実は、同じ意味ですから。

繰り返しになりますが、やっぱり前向きな転職でなければ、同じことの繰り返しだと思います。

僕も転職するときは、「プロボクサーになったら、いくら稼がないといけないか」と計算をしました。ぶっちゃけ、計算したお金はもう稼ぎましたけど、まだまだ不安です。子どもが「医学部に入りたい!」って言い出したらどうしよう、とかね(笑)。

ちゃんとキャリアを伸ばしたい、夢を追いたい、というポジティブな転職ならいいと思います。でも、ただ会社に不平不満があるから転職したいというのであれば、転職後もまた新たな不安に襲われるかもしれないし、そもそも奥様もきっと転職を許してくれないでしょう。

やっぱりまずは奥様に聞きましょう(笑)。奥さんを納得させられるくらいの熱意があれば、次の仕事も上手くいくと思います。

僕も引退後のことは考えていますが、やりたくないことはやりたくない。どうせなら人の役に立つことをしたいし、人の役に立てる仕事なら、なんでもチャレンジしたいいいと思っています。

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