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サッカーが好きというよりは、子どもたちに教えるのが好きなんです。“お父さんコーチ”ならではのマネジメント術とは?

育児・スポーツ・音楽・ダンス・推し活など…
働き方の多様化が進むいま、仕事と別の活動を両立して、自分のライフスタイルを確立している人も多いと思います。
連載企画『わたしの「#もうひとつのかお」』では、仕事以外の「かお」を持つマイナビ社員に、その活動にかける想いや、両立法について聞いていきます。
読者の皆さんにとって、ご自身のワークスタイルを考える“ヒント”になれば嬉しいです。

第12回は、マイナビでマーケティング部長を務めながら、プライベートでは小学校・中学校でサッカーの”お父さんコーチ”を務める、アスリートキャリア事業部の平塚さんにインタビューしました。
「子どもたちから学ぶことってたくさんあるんですよ。それが仕事にすごく活きています。」と話す平塚さん。それぞれがどのように相乗効果を生み出しているのでしょうか?


プロフィール

マイナビ アスリートキャリア事業部 マーケティング部 部長
平塚 秀作(ひらつか・しゅうさく)

【経歴】
2007年に中途入社。グループ会社のマイナビワークスなどで営業職やマーケティング職に従事した後、社内公募制度を利用し2023年10月にアスリートキャリア事業部へ異動。現在は部長として11人のメンバーを束ねる。プライベートでは小中学校でサッカーのコーチを務める。高校生の息子と中学生の娘を持つ2児の父。

お父さんコーチになったきっかけ

サッカーのコーチになったのは、息子が小学校1年生のときでした。お父さんコーチになる人あるあるですが、最初は息子のサッカーを見るだけでコーチになるつもりはなかったんです。でも自分も中学校までサッカーをやっていたこともあり、球拾いを手伝ううちに少しづつ練習を見るようになり・・。気づいたときにはチームの中心でコーチをするようになっていました。

本来は自分の子どもが卒団したら、お父さんコーチも卒団する人が多いのですが、当時はチームにコーチが不足していたので、自分が見ないと誰も教える人がいない!という責任感で息子が卒団した後も続けることになりました。いまでは小学校だけでなく、近所の中学校の外部コーチも務めています。

子どもの「ヘディング苦手」を克服。”水風船ヘディング"作戦!

子どもたちに教えるのって、すごく難しいんですよ。会社のマネジメントはもちろん大人相手なので、理屈も通じるしある程度同じ方向を向いて仕事をしてくれますよね。
でも子どもたちはそうはいかない。まず、楽しくないと動いてくれないし、すぐ飽きちゃいます。あとは親御さんにサッカーをやらされていて、サッカーをそんなに好きじゃないパターンもある。そうかと思うと、上手くなりたくてプロを目指している子もいるし、みんなに一つの方向を向いてもらうのはすごく難しいなと感じます。
そんな中で、一番に意識しているのは「どれだけ楽しく練習できるか」です。ただ走ったりドリブルをしたりという、単調な練習はできる限り減らしています。ルールを設定してゲーム性を持たせたり、勝ち負けをつけたりと、同じ練習でも「達成感」を得られるようにしてあげることで、子どもたちって楽しそうに練習に取り組めるんです。

その中でも好評だったのは、“水風船ヘディング"ですかね。
ヘディングって怖いじゃないですか。なので苦手意識を持っている子がすごく多いんです。練習でもボールを怖がって避けちゃうという課題がチーム全体にありました。柔らかいボールでヘディングさせたり、色々工夫したのですがどうも上手くいかず。どうすれば楽しみながら取り組めるかを考えていたときに、水風船で楽しそうに遊んでいる子どもたちを見て、「これだ!」と思いつきました。水でびしょびしょになりながらも笑顔で水風船をヘディングしている子どもたち。徐々にヘディングに対して恐怖心がなくなり、最終的にヘディングが得意になり、チームのヘディングでの得点も増えたときには思わずガッツポーズがでましたね。

子どもたちと集合写真に写る平塚さん(右上)

子どもたちに教えられたリスペクトの精神

「リスペクトの精神」というものが日本サッカー協会にはあります。チームメイトや対戦相手、監督やコーチなど誰に対しても敬意をもって接することって、簡単に見えてなかなかできないことですよね。でもこれって子どもたちとサッカーをしているときも、会社でメンバーや取引先と接するときも大事にすべきことだと思います。
私と子どもたちとは、30も40も年齢が離れていますが、決して自分の立場が上だとは思ったことはありません。サッカーの上手下手ではなく、年齢でもなく、あくまで対等にお互いがリスペクトを持って接することで、関係性も築けていけるなと思っています。それに、ただ感情的に子どもたちに怒っても、意味がないなと学びました。プレーも消極的になるし顔色ばかり伺うようになる。なかなか難しい時もあるかもしれませんが、職場でもできる限り相手のいいところを探して、感情的に怒ったりすることはしないよう心がけています。

アスリートの可能性を広げていきたい

そもそも社内公募でアスリートキャリア事業部に異動したのは、子どもたちがきっかけなんです。自身の教え子で、卒団後に全国優勝までした子が「就職先が見つからない」と言っていて衝撃を受けました。全国優勝するほど努力できる子でも、アスリートのキャリア形成って難しいんだなと知り、少しでもそれを変えたいと思い異動を決意しました。
実際にアスリートの方や、関係している様々な方からお話を伺うと、競技に打ち込んでいるが故に、それ以外のキャリアにあまり関心が無かったり、自信が持てていない方が多いことを知りました。でも、スポーツで結果を出せるということは、身体能力が高いだけでなく、きちんと考えてPDCAを回せているからこそだと思います。なので、全てのアスリートに自身のキャリアについて現役中から知ってもらい、安心して「スポーツとキャリアの両立」ができる世界観をつくっていきたいなと思います。
もちろん子どもたちにも、社会に出て活躍できる人間性や思考力を、競技を通じて身に付けてほしいと思っています。ありきたりな言葉に聞こえるかもしれませんが、「試合に勝つことよりも大切なこと」はありますから。これからも毎日仕事もサッカー指導も学び続けたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございます。
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