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大阪で求人サイトの営業をしていた私が、仙台で女子サッカーチームの運営に携わるまで。

株式会社マイナビ

異動、転勤、出向、転職・・。
仕事をしていると、働く組織、働く土地、働く仲間、働き方など、大きいことから小さいことまで様々な変化の場面に出くわします。
ひとつの場所で働き続けることが当たり前だった時代から、自分の働き方、生き方を主体的に考え選択する時代。
けれど、新たな道へチャレンジすることはとても大きな決断で、勇気が要ることです。
 
今回はマイナビの中でも、人材業界からスポーツ業界という全くの異業界に飛び込み、見知らぬ土地で奮闘するひとりの社員を紹介します。なぜ新たな場所で働く決断をしたのか、その決断に後悔はないのか、好きなことを仕事にするとはどういうことか。
彼女が考えたこと、感じたことを率直に綴ってもらいました。
 
マイナビ仙台レディースやWEリーグを応援して下さっている方はもちろん、キャリアに悩んでいる方、新たな場所に飛び込もうとしている方、またスポーツビジネスにご興味がある方にもぜひ読んでいただきたいと思います。

【プロフィール】
後藤 早紀
2010年、新卒で株式会社毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)に入社。
大阪支社・東京本社にて転職情報サイト『マイナビ転職』の営業や代理店営業に従事。
その後、顧客企業の応募者対応や採用管理システムを活用した採用支援部署を経て、2021年2月、女子プロサッカーチーム「マイナビ仙台レディース」を運営する株式会社マイナビフットボールクラブへ立ち上げメンバーとして出向。現在は企画営業部門にてスポンサーセールスに携わっている。

とにかくスポーツ大好き。いつかスポーツに関わる仕事がしたかった

大阪生まれ大阪育ち。祖母も父も根っからのタイガースファンにも関わらず、幼い頃の私はなせかジャイアンツファン。学生時代は凍らせた2ℓの水とスポーツドリンクを持って、甲子園球場のアルプススタンド最上段の席で観戦するというこだわりのスタイルで毎年夏を過ごしていました。
 
そんな私が就職活動を始めたのは2008年10月から。就職活動が始まった途端、リーマンショックの影響でのきなみ企業が採用中止に。
どうするべきか悩んでいた頃、フィットネスクラブでのアルバイト中お客さんに相談した時に言われたことが今でも自分の中で大事な言葉になっています。
 
「やりたいことを無理に見つける必要はない。
 そういう時は今やらなければならないことを選択してもいいのでは?
 やりたいことは自分がその気になればいつでもできる」
 
漠然と「スポーツに関わる仕事ができたら」とは思っていたものの、考えが明確ではなかった私は、
「まずは就活を頑張ってみる」「いろんなところに行ってみる」「そこで何か出逢えるかもしれない」
と考えを切り替え、そんなこんなで(ここでは省略しますが)マイナビと出逢い入社することができました。
 
正直入社当初はHR領域にはそんなに興味があったわけではないですが、スポーツで培った負けず嫌いを発揮し、がむしゃらに営業をしていました。
先輩、上司に恵まれ一緒に働く人が好きで仕事を続けてこられたなと思います。

初めて「誰と働くか」ではなく「何の仕事をするか」で選んだ道

社会人11年目の秋。スポーツ大好き人間の私にとって、ビックチャンスが訪れました。

2020年9月、マイナビは女子プロサッカーチームの経営権を譲り受けることになり、社内公募(※)で女子サッカーチーム「マイナビ仙台レディース」の企画営業の求人が出たのです。
※マイナビには社内公募制度があります。新たな人材を必要とする部署が社内求人を公開し、希望者による応募、募集事業部門による書類選考・面談を通じて異動が決定します。
 
当初は、
仙台かぁ、女子サッカーかぁ・・・うーん・・・
 
でも気になっちゃったらもう止まらなかったです。
同期と飲んでいた時にこの話題になり、ふと「あれ?私スポーツ好きだよね。これチャンスでは?」って気づかされ、自宅に帰る電車の中ではもうこのことで頭がいっぱい。
次の日の朝には母親と妹に「もしかしたら仙台行くかもしらん」とLINE。まだ受けてもないし合格ももらっていないのに(笑)
 
もちろん応募するまでに葛藤はありました。
私の場合はこの2つ、【勤務地】と【働く人】
 
まず、勤務地が仙台ということ。
生まれ育った大阪から仙台はとっても遠く、気軽に帰省できる距離でもないし、知り合いもいない。
ましてやったことのない仕事ができるかどうかと不安も大きかったです。
 
もう一つは「人」。
その当時一緒に働いていた上司、同僚、部下が本当に大好きだったので、
優秀で助けてもらうことばかりだった仲間たちを、ある種”裏切って”社内公募を受けて、自らこの部署から出ていくのか…と思うととっても苦しかったのです。毎日情緒不安定でした(笑)
 
それでも応募した理由、行くと決めた要因は、

“やるよりやらなかった時のほうが絶対後悔する“
“「勤務地」を理由にみすみす逃すとかなんかダサい”
“11年とりあえず頑張って仕事してきたからそろそろやりたいことに手を出してもいいのでは”
 
フィットネスクラブのアルバイト時代にいただいたあの言葉も、異動を決断させる一つの要因となりました。
その後、無事社内選考を通過し、2021年2月仙台へ。
仙台でこの仕事を始めて、一度もこの選択を後悔したことはありません。

リーグ開幕日。マイナビフットボールクラブ立ち上げメンバーたちと

いわゆる「ゼロからのスタート」。今まで何も考えずに仕事をしていたと痛感

異動当初は、前身のチームがあったとはいえスポンサーメニューでさえ何も決まっておらず、なんとか営業活動を始めてみたものの、思いのほか仙台でチームの知名度が低かったことや、マイナビグループになったことで「もうスポンサーいらないでしょ」なんて言われることもしばしば。
「これからも仙台をホームタウンとして活動したいから地元企業のみなさんに応援してほしい」と伝えても、「女性活躍を推進するためにも応援してほしい」と伝えても、反応は正直いまいちでした。
 
加えて、宮城にはすでに東北楽天ゴールデンイーグルス(野球)、ベガルタ仙台(男子サッカー)、仙台89ERS(バスケットボール)と3つのプロチームがあり、それらと比べたら女子サッカーという競技種目自体の人気も厳しい。他球団と同じことをしたとしても、集客や知名度に劣るため、別の存在意義を作らなければいけませんでした。

今までの求人サイトの営業は、商品自体のブランドが確立されていて、
しかも企業側の「採用したい」というニーズを前提に営業をしていました。
しかしここでは、企業がマイナビ仙台レディースのスポンサーになる“意味”を作るところから考えなければならず、マーケティングの本を読んでみたり、いろんな人の考え方に触れながら“スポンサー企業と一緒に達成したい目標”を明確に話せるよう、自分の中に考えを落とし込む作業をしていきました。
 
今でも試行錯誤の毎日ですが、
“子どもたちの夢を夢で終わらせない”
“企業が考える地域課題を、マイナビ仙台レディースを通して解決していきたい”

という想いを伝えながら、日々営業活動をしています。

マイナビ仙台レディース・増淵彩乃 主務と

WEリーグの存在意義

ここで少しWEリーグのお話を…。
マイナビ仙台レディースが所属するWEリーグは2021年2月に開幕した女子プロサッカーリーグです。
“WE”は「Women Empowerment」の略で
女子サッカー・スポーツを通じて、
夢や生き方の多様性にあふれ、
一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する
という理念の元、11クラブでWEリーグ初年度がスタートしました。
 
マイナビという会社は昔から女性社員の数は多く、現在社員数の男女比はほぼ半々、管理職も3割以上は女性となっているので、私自身、会社の中で性差を感じることは少なく過ごしてきました。
しかし日本のジェンダーギャップ指数は世界156か国中120位という低さです(2021年)。
今自分が当たり前だと思っている状況すら世界的に見たらおかしいのかもしれない。
 
日本が世界基準に近づけば、もしかしたらもっと違う世界が存在していて、
男女問わずもっと一人ひとりが更に能力を発揮する世界があるのかもしれない。
WEリーグに加入するクラブの一員として、女性活躍社会を牽引するつもりで、女子サッカーチームの運営に携わりたいと思っています。

2022年3月に行った、WE ACTION DAY
「共生社会づくりに向けた一歩を踏み出す"学び"DAY」の様子
※「WE ACTION DAY」とは、リーグの理念にある
「一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献すること」を目的にクラブ全体で活動をする日です。

WEリーグ初年度が終了。プロスポーツの厳しさに直面

マイナビ仙台レディースは、WEリーグ初年度を5位という結果で終えました。
5月22日の最終節は、怪我で長期間試合に出られていなかったキャプテン・浜田遥選手が、試合終了間際に劇的逆転ゴールを決め、勝利で幕を閉じました。

全チームこの日に試合が終了し、翌日からは来シーズンの契約の有無が選手たちに公開されます。
当クラブも契約満了となり退団となった選手もいます。頭では分かっていても選手との別れはとても悲しいです。
でも私は“クラブ側の人間”。「別れが悲しい」と口にすることすら正しいのか分からず、自分がどうあるべきなのかをすごく考えました。
 
会社に属していると、雇用契約を切られるということは身近に感じづらいことです。
けれど、プロスポーツはそういう世界。
そういうものだから、といわれても、目の前で繰り広げられることをかみ砕いて落とし込むのは想像以上に難しいです。

好きなことを仕事にできることは幸せ、と思っていましたが「好き」で留まっていれば見えなかったことや、その業界で働くことで直視しなければいけないことがあります。

まだ自分の中で答えが出ていないこともありますが、
“「これ」と決めた道で知らないほうがいいことなんて一つもない“(漫画「ちはやふる」より)を合言葉に、苦しかったこと、その感情、楽しかった出来事、すべてを飲み込んで突き進んでいこうと思います。

これからサッカー選手を目指す女の子たちの夢を現実に

先日宮城県サッカー協会主催で行われた“女子サッカーの歴史を知る”というテーマのイベントで、とある高校の女子サッカー部の生徒さんからこんな質問がありました。
 
「WEリーグがもっと盛り上がるために高校生の私たちができることはありますか?」
 
涙が出そうなくらい感動しました。
私は今サッカーをやっている女の子が「サッカー選手になりたい」と言える、思える世界を作りたいと思って仕事をしています。
その対象でもある高校生から“私たちも一緒にその世界を作りますよ”、と言ってもらえたようで、もっともっと頑張らないとだめだなと思いました。

宮城県サッカー協会主催イベント

女の子が目指したい世界を作る、自分の娘がサッカー選手になりたいと言ったときに親御さんが安心して送り出せる世界を作る。
そしてその夢の実現に向けてサポートしてくださっているファン、スポンサーの皆さんに恩返しができるよう、7月からの来シーズンも全力で邁進してまいります。


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