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編集者の私がフォトグラファーとして、SNS運用をはじめてフォロワー1万人を獲得するまで

育児・スポーツ・音楽・ダンス・推し活など…
働き方の多様化が進むいま、仕事と別の活動を両立して、自分のライフスタイルを確立している人も多いと思います。
連載企画『わたしの「#もうひとつのかお」』では、仕事以外の「かお」を持つマイナビ社員に、その活動にかける想いや、両立法について聞いていきます。
読者の皆さんにとって、ご自身のワークスタイルを考える“ヒント”になれば嬉しいです。

第4回は、『マイナビウーマン』編集長を務めながら、フォトグラファーとしてSNS運用をはじめて、現在はフォロワー1万2,000人以上を獲得している中納  俊さんにインタビューしました。

「なんとなく」写真スキルが向上したわけでもなければ、「いつの間にか」SNSのフォロワーが増加したわけではない――――すべては自分の新しい武器を身につけるためだったと語る中納さんが歩んだ編集人生とは?

【プロフィール】
中納 俊(なかのう・しゅん)

『マイナビウーマン』編集長

<経歴>
19歳で大阪の編集プロダクションに入社。主にライフスタイル誌を刊行するさまざまな出版社で経験を積む。趣味の専門誌や旅行誌、ファッション・美容誌、育児誌など多岐にわたるジャンルの媒体に携わる。2017年にマイナビ入社し、『マイナビニュース』の編集を経て、2022年より『マイナビウーマン』の編集部に配属。

<フォトグラファーとしての経歴>
2021年、仕事で使う私用のカメラを新調したことがきっかけで、プライベートでも写真を始める。主に街中でスナップを撮影。同年の春からTwitterに写真投稿を始め、現在に至るまで約2年にわたって毎日投稿を続け、フォロワー数は1万2,000人以上に。現在も日常的に撮影を行っているほか、SNSでの投稿や写真展への参加などの活動も行っている。
Twitter:@shunx___

中納さんが撮影した写真

ーきっかけは「紙雑誌」から「WEBメディア」の編集者への転身。

私はもともと音楽が好きで、学生のころから“音楽雑誌”の編集者を志していました。
当時はバンドをやっていたりもしたのですが、自分で音楽を作るよりも人におすすめしたりするほうが性にあっていると感じていて。
高校を卒業してから専門学校で編集者としての技術を学び、その後は様々な出版社で経験を積みました。

ずっとやりたいことだったので、とてもやりがいを感じながら働いていましたが、編集歴10年を過ぎた頃、次のステップについて考えるようになったんです。
というのも、それまでは紙の雑誌の編集ばかりをやっていたのですが、自分のできることの幅を広げたいという思いから、WEBメディアでの編集職にも興味が出始めてきて……。

そんなとき、知人から『マイナビニュース』の編集部での仕事を紹介してもらい、転職を決めました。
転職して最初に感じたのは、WEBメディアの編集は個人の裁量が大きく、自由度が高いということでしょうか。
紙の雑誌は「記事を書くのはライター」「写真を撮るのはカメラマン」「企画・編集を行うのが編集者」といった形で、1つ1つの業務が“分業制”だったんですが、WEBメディアの編集者はその全部を自分が担当する……なんてこともあって。
だからこそWEBメディアの編集者として生きていくためには、新しい自分ならではの武器を見つけなくてはいけない、そう強く思ったのを覚えています。

ーこれからの自分の武器は「写真」と「SNS運用」に。

自分ならではの武器を持つこと。
それは、出版社で働いていたときから、ずっと意識してきたことです。
自分より優れた人が多いなかで、まともに戦っても敵わない……では、どうすればいいのか。そればかりを考えて編集人生を歩んできました。
その答えが、自分にしか書けない原稿を書くことだったり、自分しか考えられない企画を立てることだったり、自分にしかない人脈を持つことだったり、そのシーンに合わせて必勝できる“武器”を持つことだったんです。

そしてマイナビに転職をして改めて、これからWEBメディアの編集者として生きていくためにどんな武器を持つべきか?を考えました。
その当時の答えが「写真」と「SNS運用」の2つだったんです。

もともとカメラは仕事でも使ってはいたんですが、本格的にプライベートでも写真を撮り始めたのはその頃でした。
主に撮影しているのは、今も当時も変わらず「ストリートスナップ」と呼ばれる、街中の日常風景を写した写真です。
なぜストリートスナップか。
その理由は単純で、もともとストリートスナップを見ることが好きだったのと、街中の写真を撮るのはとても気軽で、素人でもはじめやすかったからですね。

ストリートスナップは仕事終わりの帰り道に撮ることが多いです。
少し遠くの駅までわざわざ歩いて帰ってみたりして、その道を様々な角度から写真におさめていく。とにかくシャッターをたくさん切るので、1日300枚以上写真を撮ることもありますね。

同じ道であっても、天気や人の流れ、その時の自分の気分で目の付け所が変わったりして、毎日街は違う姿を見せてくれるんです。

中納さんが撮影した写真

ーSNSでトレンドをキャッチし、『マイナビウーマン』の運営にも活かす

中納さんのTwitterアカウント(@shunx___)

ストリートスナップをはじめたときに、Twitterへの写真投稿もはじめたんですが、似たアカウントは世にあふれていますよね。
その中で、どのように目立っていくのか…試行錯誤のはじまりでした。

色みの独自性を研究する、毎日投稿を始める、フォロワーの多いカメラアカウントとの交流を増やす…地道に努力をしていきました。
何かが大きく当たってフォロワーが増えたというよりは、本当に地道なことの積み重ねで少しずつ見てくださる方の数が増えた……というところです。

SNS運用が、編集の仕事に役立っているなと感じることもあります。
もちろん写真スキルが上がったこともですが、SNSトレンドに敏感になれたのも大きかったですね。

自分で投稿をはじめてから、SNSで世の中のトレンドをつかむ癖がついてきたので、今流行っているコスメやごはん、面白い働き方をする人など……いろんな最新情報をリアルタイムにキャッチできるようになりました。

私は現在マイナビで、働く女性をターゲットにしたWEBメディア『マイナビウーマン』の編集長をしています。
取材や記事の作成を自ら行うことはもちろん、媒体の方針を決めていく立場でもありますので、トレンドに常に敏感でいられることはとても大切なんです。『マイナビウーマン』を運営していく上でも、SNS運用の経験は大いに活きているといえますね。

編集者としての経験も、フォトグラファーとしての経験も、突き詰めていけばきっと他のことにも活用、転用ができます。
これからの時代では、そういったクロスオーバーのスキルや人材がより一層求められていくと思いますので、来るべきタイミングで武器として使えるように、今後もいろんな力を磨いていきたいと思っています。

ー写真の魅力は、毎日新しい発見があること

中納さんが撮影した写真

色々とお話をしてきましたが、そもそも私は写真を撮ることがとても好きなんです。
カメラを始めると、いつも眺めていた風景に新しい発見があります。
それは、何百回と通ったことのある道でも街でも建物でもそうです。
私は会社の行き帰りに毎日写真を撮りながら歩いているので、そのエリアでは歩いたことがない道なんてないと断言できます。
写真も万単位で撮っています。
それでもきっと、今日も明日もシャッターを切ります。いつも新しい発見があるからです。

そんなふうに何の変哲もない道で楽しめることなんて、憧れの人とデートするかカメラしかないと思います(笑)
もちろん、初めて行く場所なんてめちゃくちゃ楽しいですよ。

私もまだまだスキルは未熟ですが、新しい発見に気づくたびに自分の視野や美的センスも広がっていると実感できます。
これからカメラを始める人もきっといらっしゃると思いますが、とりあえずシャッターさえ押せば写真は撮れるので、感性を磨きたい方、運動不足の方、暇な方……誰でも気軽にまずは始めてみてはいかがでしょうか。

中納さんのTwitterアカウント:@shunx___


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