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マイナビ50周年プロジェクト担当者が振り返る。「周年事業」で七転八倒した1年間

マイナビは2023年8月15日、創業から50周年を迎えました。
そんなに歴史がある会社なの!?と驚かれる方もいるかもしれません。

今回は、50周年事業プロジェクトのメンバーとして活動した担当者が、さまざまな施策にチャレンジするなかで、「大変だったこと」や「学んだこと」を正直に振り返っていきたいと思います。

note読者の中にも、周年事業に携わることになり、何をすればよいか悩まれている方がいるかもしれません。そんな方たちにとって、少しでもヒントになれば幸いです。


社長室広報部 渡邉
2008年新卒でマイナビへ入社。総務部の先輩たちにあたたかく育てられたあと、広報部へ異動。それから約10年、アウター・インナー広報に従事。50周年プロジェクトのメンバーの一員として、沢山の方の協力のもとゴールが見えてきたところ。

はじめに

50周年事業は2023年7月にスタートしました。プロジェクトが組まれたのは2022年8月。

CMをはじめとしたプロモーション展開、数千人の社員が参加した大規模な記念イベント、著名人をゲストに迎える月一回の社内イベント、記念サイト開設、アルムナイネットワークの構築、サステナビリティ推進、新規事業提案制度の取り組みなど…1年かけて(準備を含めて2年)、十数人のメンバーでさまざまな取り組みを行いました。

メンバーは広報、宣伝、経営企画、人事、総務など。のちに書きますが、通常業務と並行してプロジェクトに参加する形です。2024年8月に周年事業は終了する予定です。

▼50周年記念テレビCM

陥りがちなワナ。まずは「手段より目的を決める」

コロナウイルスの感染が拡大し、会食・忘年会の中止が叫ばれていた2020年12月。さまざまな部署からメンバーが集められ第一次プロジェクトが組まれました。そこで提示されたのは「施策案をX週間後までに提案せよ」というものでした。

思えばその際は、「イベントをやる」「広告を出す」という”手段”だけが先走っていたと思います。周年事業の柱となる目的を設定しないまま走り出し、「どんなイベントをやる?」「どんなプロモーションやる?」という視点で議論がスタートしていました。

50周年がいよいよ近くなった2022年8月、経営体制の変更などもあり、改めて第二次プロジェクトが本格的に組まれました。そこでまず整理されたのは周年事業の「目的」です。

マイナビは2022年にあらたな経営理念である「パーパス(存在意義)」を定めました。これは50周年事業に関係なく決めたものですが、タイミング的にも、そして会社の未来のためにも、パーパスは重要な存在となりました。

マイナビが一つの方向に向かうためには、パーパスをすぐにでも多くの人に知ってもらい、浸透させる必要がある……。そのため、周年事業の目的は「パーパス浸透」となりました。社内外問わず多くの方に、マイナビのあらたな想いを知っていただくこと。それがプロジェクトの目的になりました。

パーパスを軸にしたクリエイティブ
(木戸 大聖さん 中島 セナさんにイメージキャラクターを務めていただきました)

何ごとにおいても「手段より目的を考えるのは当たり前!」と思われるかもしれません。ただ、私も含めて「周年事業=イベント、社史、広告」という手段の検討が先走りがちなのでは、と思います。
「パーパス浸透」という周年事業の柱が設定されたことで、とても動きやすく、考えやすくなりました。

いったいどこへ消えた?「歴史的資料がなにも残ってない…」

「パーパスの浸透」がテーマになったので、いわゆる「社史」を作る予定は当初ありませんでした。ただ、マイナビはここ数年で一気に社員数が増えたため、20代の社員が多く、50年という重みや歴史を知る人はとても少ない状況です。若い社員から「自分が勤めている会社がどういう歴史を辿ってきたのか知りたい」という声もあり、これまでの変遷を振り返ることになりました。

そこでまずやるべきは、当時の資料集め。

…しかし、どこにも整理されていないのです。

創業時のメイン事業だった「就職情報誌」は、2000年代発行と思われるものが段ボールに積まれ、それより古いものは不明。オフィス移転の際に捨てられたものも多く、社内で聞いても「どこに行ったか知らない」という答えが大半でした。

そんな中、私を助けてくれたのはとにかく「人」です。

  • たまたま行われていたOBの同窓会に飛び込み参加し、創業当時の方々に出会い、お話を伺う。

  • 社員番号が古い方に、片っ端から「昔のもの何か持ってませんか?」と聞き回る。

  • 会社に愛を持ち、さまざまな資料を個人的に保管している方と出会い、サポートいただく。

これらの出会いがあり、70年代から90年代の発行物やオフィスの写真などをゲットすることができました。

70年代~80年代の就職情報誌

創業時のロゴ、深夜に1回だけ流して消えたCM、チャレンジしたものの頓挫した事業たち、現経営陣の新入社員時代の思い出、全社的に行われていた東西野球大会など……。
それまで全く知らなかったマイナビの過去の歴史。
この作業をしたことで私自身、会社に対する想いが高まり、地道な作業でしたが色々な方と出会い、話を聞くことができ、単純にとても楽しかったです。

90年代に出版していたPC・デジタル系雑誌

▼最終的なアウトプットはこちら。記念サイトにコンテンツを作りました。

※そのほか、記念イベント用の動画も作りました

いくら時間があっても足りない!「通常業務とのバランス」

社史編纂室に代表されるような、周年事業の専門部署を組織する会社も多いと思います。そんな中私たちは、通常業務と並行して事業に携わる「プロジェクト」という形をとりました。

CMの撮影では朝から晩までスタジオやロケ地を回ったり、記念サイトオープン日には早朝から見守ったり、古い社内報を片っ端から読んだり…細かな作業はここに書き切れません。

渋谷駅を再現した屋外スタジオ。土砂降りの雨の中、ロケを見守りました。
CMラストカット。スタッフ・役者の皆さんと曇り空のもと、夕日が出るのを待ちました

ピーク時は周年事業の業務ボリュームが多くなり、通常業務がひっ迫し、体力的にも気持ち的にもつらいなと思うこともありました。うまく通常業務とのバランスがとれる環境をつくること、もしくは事業規模が大きければ集中してできる環境が必要になるかもしれません

私はとにかく、そんな中でも支えてくれた部署のメンバーに感謝しかありません。

トラウデン直美さんを司会に迎え、毎月実施した社内イベント「パーパスデイ」

社員がパーパスを「自分ゴト化」する難しさ

「パーパスの浸透」を目的としたのは前述の通りです。
まず社内調査をすると、多くの社員がパーパスを「認知」「理解」し、「共感」していることがわかりました。
では次のステップは「パーパスの自分ゴト化」です。会社のパーパスと、社員自身が働く目的の重なりを増やす。そのための取り組みを行うことになりました。

我々がチャレンジしたのは、社員一人ひとりのパーパスを言葉にしてもらい、それを社員同士で共有することでした

マイナビは今「デジタルカンパニーになること」をひとつの目標としています。デジタルチームの強化は大きな命題です。そのメンバーに協力してもらい、社員が自身のパーパスを言語化した「MYパーパス」を入力し、社員同士が共有するWEBサイトを完全内製で構築しました。

パーパス共有プラットフォーム「MYパーパス」

しかし、なかなか社員が「MYパーパス」を登録してくれない状況が続きました。どうしたら皆に楽しみながら取り組んでもらえるのか…。

そこで行ったのが、AIにMYパーパスのテキストを読み込ませて、内容に即したオリジナル画像を生成しようという取り組みです。

▼デジタルメンバーのインタビュー

どんな画像が作られるか楽しみながら自分のパーパスを登録できる。その技術的なチャレンジをすることで、MYパーパスの登録促進を行いました。

デジタルメンバーが色々な挑戦をし、改良を重ねたこの取り組み。このようなさまざまなトライが、会社を成長させるのだなと感じました。結果的に登録数も多くなり、良いチャレンジとなりました。

それでもやってよかった!人との出会い

大変だったことや反省点はたくさんあります。だけど手に入れたものも大きかったです。それは「人との出会い」
プロジェクトのメンバーはもちろんですが、今回をきっかけに出会えた50年前の創業メンバーのみなさん、そして新たなチャレンジをしてくれたデジタルチーム。マイナビにはこんな素敵な人たちがいるんだ!という発見がありました。

周年事業というと、広報や総務という部署がアサインされることが多いと思います。しかしこれからはデジタル技術をどう活用して事業を盛り上げるかがキーになるかもしれません。

また、歴史を振り返るために当時を知るベテラン社員も参加しつつ、会社に対する新たな発見やエンゲージメント向上につながるので、若手社員にもどんどんプロジェクトに参加してもらうと、未来への良いサイクルが生まれるのではと思います。

多様な部署や年次の社員が多様な視点を持ち、一つの目的のもと周年事業に向き合う。そんな形が理想なのかもしれません。

10月に行われた全社イベント

最後に

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。2024年8月までマイナビ周年事業は続きます。ラストスパート。是非特設サイトやYouTubeをご覧いただければ幸いです。
これからのマイナビにご注目いただけますよう、お願いいたします!


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