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女性ファッション誌の編集長から『マイナビウエディング』新編集長へ。編集者としてユーザーに届けたい未来。

この春、マイナビが運営する結婚情報サイト『マイナビウエディング』に新編集長が就任しました。
 
これまでは主にファッション・ライフスタイル系の女性誌の編集やWebメディア立ち上げなど多数の経験を持っていますが、ウエディング関連メディアに携わるのは今回が初めてとなります。
 
一見、変わった経歴のように見えるかもしれません。
 
しかしそこには、ウエディングの在り方も多様化する今の時代だからこそ、豊富な経験を活かし、『マイナビウエディング』を通して業界を盛り上げていきたいという編集長としての想いがありました。
 
そんな片山編集長が語る、これまでのキャリアとこれからの“『マイナビウエディング』が目指す新たな未来”とは?
 
今回のマイナビのこばなしでは、『マイナビウエディング』新編集長・片山裕美へのインタビューをお届けいたします。


▼ファッション誌の編集長、ECメディア立ち上げ…幅広くメディアに携わる

――この春から『マイナビウエディング』の編集長に就任されましたが、もともとは女性誌など紙媒体の編集からキャリアをスタートされたんですよね?

そうですね。大学卒業後は編集者として「主婦の友社」という出版社に入社しました。しばらくはファッション、ビューティ、ライフスタイルなどオールマイティなジャンルで、20〜30代向けの女性誌の編集をしていました。
30代半ばに女性ファッション誌『Ray』の編集長に、またカジュアルファッション誌『mina』の創刊編集長もつとめました。その後、幻冬舎へ転職して、『GINGER』という女性誌の創刊も手掛けました。
 
――華々しいキャリアですが、早くからWebメディアにも関わってきたとお聞きしています。
 
私としては紙の雑誌の編集をずっとやっていくつもりでいたのですが、残念なことに2010年代には本格的に紙の雑誌の勢いに翳りが見えてきました。そんなときに編集者に声がかかりはじめたのが、企業のWebメディアやECサイトを強化していく仕事です。
編集者として出版社に在籍しながら、他企業の公式サイトやECサイトにオウンドメディアを立ち上げる仕事に関わることが増えてきたんです。
 
――どのようなお仕事だったんでしょうか?
 
たとえば、モール型ECサイトを運営する企業からの依頼で、「自社サイト内でオリジナルのファッションメディアを立ち上げたい」というものがありました。
その際には、私がそれまで培ってきた雑誌編集スキルや、マーケティングスキルを活かして、新しいユーザーサービスを立ち上げるプロジェクトにメディアサイドのディレクターとして参加しました。
それが話題となって、その後もいろいろなECサイトからお声がけいただいたり、逆にこちらからセールスにうかがったり。百貨店のWebサイト内のオリジナルコンテンツ制作や、クレジットカードの上級会員向けのWebメディア作りなどもサポートさせていただきました。
当時はクライアント企業のサイト担当者やマーケティング担当者、エンジニアの方々とたくさん議論もしましたし、紙の媒体づくりとはまた違った経験ができたので、非常に刺激的でしたね。
 
――そして、最終的に出版社を離れることになったんですね。
 
はい。WebメディアやECサイトのプロジェクトに多数参加した経験を、何かに活かせないかと考えて、長くお世話になった出版業界を離れることを決めました。そして、退職後にお声がけいただいた新しいファッション系ECメディアの立ち上げに参加することになったんです。
 
――そこではどんなお仕事を?
 
スクラッチ(ゼロベースでデザイン開発を行うこと)でECサイトを立ち上げていくことから始まり、そこで販売するオリジナルのブランドや商品作りを指揮したり。また、商品や企画を紹介する記事コンテンツを作るのはもちろん、プロモーションや販売なども経験しました。
そこでは、商品やブランドを軸にメディアを運営し、コンテンツ戦略でユーザーやマーケットへ熱を届けていく大変さと喜びを凝縮して味わえましたね。
 
――そこから、『マイナビウエディング』へ続いていくんですね。
 
長年メディアに関わってきた人間としては、多様な価値観を持つユーザーに対し、時代に合った“幸せ”のイメージやヒントを提供しつづけたいという思いがあります。
『マイナビウエディング』は、まさに“未来を作るための情報提供メディア” だと思いました。この先の新たな人生をどう考えるか、ふたりでどんな未来を作っていきたいか。明日着る服を選ぶことよりももっと大きくて、それは人生全体にも関わってくること。
“結婚”という大きなライフステージの変化の只中にいるユーザーが、自分たちらしい決断や選択ができるきっかけをメディアとして提供をしていきたい。そうすることで、ユーザーにもっと大きな感動や共感や幸せを届けられるかもしれない。
結婚式や婚約・結婚指輪が持っている“感動を届ける力”や“愛や共感を広げる力”は本当に絶大だと私自身は思っています。社会全体を明るく照らすくらいの力さえあるかも、と。(笑)

▼ファッション誌でも結婚情報メディアでも変わらない“読者に対する姿勢”

――数あるキャリアのなかでも、ウエディング系のメディアに携わられるのは初めてですよね?
 
そうなんです。まだまだ勉強中の身ですが、私がこれまでやってきたジャンルとは関係ない、というわけでもありません。ユーザーのインサイトやマーケットの状態、それが今後どう動いていくかという点を編集者として重視することには変わりないんです。

――ユーザーの行動や心理にアプローチすることが重要だということですね。
 
読者がどんなことに幸せや満足を感じて、どんなことに不安や劣等感を抱えているのか、そう考える要因はどこからもたらされているのか、世の中の雰囲気が変わっていくとその思いはどんなふうに動いていくのか。
そんなことを毎日考えながら、当時の女性誌の編集者たちは読者のモチベーションが上がるような企画を練っていました。たくさんの読者にとって、未来の自分が少しでも楽しみに思えるような気づきやヒントや選択肢を届けたい。その一心です。
 
――読者に対する姿勢は、結婚情報メディアであっても変わらない、と。
 
『マイナビウエディング』のユーザーも、より明るい未来へつながるような選択をしたいという思いに変わりはないはず。自分らしさを軸にしながら、何をどう組み合わせてふたりの新しい人生のはじまりを彩っていけばいいか、結婚準備は、いろんな考え方や選択肢がありすぎて、自分の価値観も見失いそうになるときもあるかもしれません。しかし、そんな時に『マイナビウエディング』を通して、少しでもふたりらしい幸せを見出せるようなきっかけ作りができたら、と思います。
 
――最近は結婚式を挙げないというカップルも多いと聞きました。
 
結婚式を挙げることや、婚約・結婚指輪の購入を「お金の無駄遣いじゃないか」と感じたり、「自分が中心に立ちたくない」「自分のためにわざわざ集まってもらうのは悪い」と感じて結婚式をしない選択をする人もいる。いろいろな価値観があって当然だとは思います。
ただ、結婚を決めたカップルが大なり小なり持っている、「この絆やこれまでの人生に関わってくれた人に感謝したい」「新たな人生のはじまりを大好きな人たちに喜んでほしい」という晴れやかな気持ちって、この上なく人間らしくてピュアなもの。こと結婚に関しては、このピュアな思いを最優先していいのではないかな、と思います。
今回サイトリニューアルに当たって、新たに制作した『マイナビウエディング』のCMも、実はそういった視点も持ちながら作っていきました。

▼片山編集長が目指す『マイナビウエディング』の新しい未来

――CMでは、高校生たちが、“理想の結婚式”について無邪気に語り合う日常の一コマを切り取ったものがありますよね。
 
今回のCMでは、あえてウエディングシーンではなくて、結婚式に対してなんとなく晴れやかでピュアなあこがれを抱いていた“あの頃”を描いています。
CMを見ていただいたみなさんには、“あの頃”を懐かしみながら、結婚式の在り方について改めて考えるきっかけにしていただけたらうれしいですね。

▼『マイナビウエディング』CMギャラリー

――確かに、大人になってからは自分の気持ちに素直になりにくくなっている気がします。
 
結婚式や指輪の交換のようなイベントはカタチだけのセレモニーではないし、一時的に喜びをもたらすだけではありません。人生そのものを照らしてくれる光になったり、人生の推進力になったりするものであって、人生の宝物そのものなんです。『マイナビウエディング』では、改めてその価値を伝えていきたいですね。
 
――最後に、今後の『マイナビウエディング』の方針や目標について改めて教えていただけますか?
 
ウエディングの形は本当に多様化し、トレンドも刻々と変化しています。インバウンドの増加によって、海外から日本の文化や伝統に対する価値観が逆輸入されるようなケースも増えてくるかもしれません。
効率を重視しながらも、結婚式のビジュアルや動画、雰囲気に対する感度が非常に高いユーザー層によって、ウエディングスタイルはさらに自由にアップデートされていくんじゃないかという期待もあります。
『マイナビウエディング』はさまざまな価値観を持つユーザーに向けて情報を提供していきたいと思いますし、新たな発見や気づきのある提案ができるメディアでありたいですね。
結婚を決めたおふたりが、ポジティブな気持ちで豊かな人生を積み重ねていくための一助となるような情報を提供することで、ふたりらしい物語を紡ぐお手伝いができたら、と思っています。
 

▼プロフィール

片山裕美(かたやま ひろみ)
お茶の水女子大学卒業後、主婦の友社に入社し女性ファッション誌の編集に携り、『Ray』編集長、『mina』創刊編集長などを歴任。その後、幻冬舎にて『GINGER』の創刊編集長を務めるほか、”女性誌のマーケ手法をwebに生かす“という狙いで、モール型ECサイトや百貨店とのコラボレーションでwebメディアの立ち上げも多数手掛けた。2019年、ファッション系ECメディアの立ち上げに代表取締役社長兼編集長として参加。24年春より『マイナビウエディング』編集長に就任。